本書は、大学入学共通テストの現代文で問われる新傾向の問題を、集中的に演習するためのものである。

共通テストでは、複数資料の読み取りや実用的文章等、従来の大学入試ではそれほど出題されてこなかった形式や分野が出題される。まずはこうした出題形式に慣れておきたい。

また、類書には無い特長として、最新論点という切り口を設けた。論理的文章の読解には、文章のテーマに関する背景知識を身につけておくことが望ましい。裏を返せば、そういった知識を蓄え、テーマを深く理解することが万全の対策になるとも言える。「ジェンダー」「グローバリゼーション」「人工知能(AI)」といった、近年の入試で頻出の論点を精選し、それらについて理解を深める解説ページを設けたので、ぜひ参照してほしい。

また、記述対策として要約問題を設け、私大や国公立大の二次試験にも役立つことを心掛けた。

表面的な出題形式が大きく変化しても、根本にある現代文学習の本質は変わらず一つである。それは、

課題文や資料などを正確に読み取り、問われていることに的確に答える

ということだ。それには、

① 良質な文章を精読する  ② 設問に慣れる

ことが肝要だ。本書では、現代社会への視野がひろがる良質な文章を厳選し、それらに共通テストの形式に準拠した設問と詳しい解説を付し、この二点について学習できるよう工夫した。本書を学習し終えたとき、現代文という科目への皆さんの価値観が大きく変わっていることだろう。本書が皆さんの学習の一助になることを願っている。

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