現実性の問題【目次】
はじめに
「現実性の問題」の始まり
- 1
- 離別と死別
- 2
- 同じか?違うか?
- 3
- 現実と可能
第1章
円環モデルによる概観
- 1
- 始発点
- 2
- 始発点と第一歩
- 3
- 更にもう一歩
- 4
- 反実仮想と可能性
- 5
- 転回――可能性から潜在性へ
- 6
- 現実性という力
- 7
- 論理・様相・時制
- 7-1
- 論理(同一律・排中律・矛盾律)
- 7-2
- 様相(可能性と潜在性)
- 7-3
- 時制(未来性と過去性)
第2章
現実性と潜在性
- 1
- 現実性について
- 2
- 潜在性について
第3章
事実性と様相の潰れと賭け
- 1
- 事実性と様相
- 1-1
- 否定と最小様相
- 1-2
- 事実性から現実性へ
- 1-3
- ラッセル的拒否感の役割
- 2
- 様相の潰れと確率の潰れ
- 2-1
- 事実性と様相の潰れ
- 2-2
- 様相の潰れから確率の潰れへ
- 3
- 選択と賭けと祈り
- 3-1
- 選択と賭け
- 3-2
- 賭けと祈り
- 3-3
- 祈りと神
第4章
現実の現実性と時間の動性
- 1
- 現実の現実性について
- 2
- 時間の動性について
第5章
時間・様相・視点
- 1
- 三つのポイント
- 1-1
- 定まり
- 1-2
- あらかじめ
- 1-3
- 必然と偶然
- 2
- ベタな時間推移か、無でさえない未来か
- 2-1
- ベタな時間推移
- 2-2
- 無でさえない未来
- 3
- 無視点性
- 4
- 様相の潰れから無様相へ
- 5
- 潜在性
第6章
無関係・力・これ性
- 1
- 「無でさえない未来」と「無関係性」
- 2
- 「忽然と湧いている今」と「無関係性」
- 3
- 「力」としての現実性
- 4
- 「このもの主義」を別様に考える
- 5
- 「現実性」と「存在物」
……同級生の転校と知り合いの葬式。二つの出来事を比べながら、小学生の私は次のように思っていた。「遠くへ引っ越して会えない」ことと「死んでしまって会えない」ことは、どこがそんなに違うんだろう?(中略)「転校による別れも死亡による別れも、その人にもう会うことはないという点では同じじゃないか」、「遠くへ行った人と亡くなった人では、寂しさはそんなに違うものだろうか?」と私は思っていた。そして、ひどく悲しむ大人たちの姿は、どこか滑稽な感じもあったし、居心地の悪い、腑に落ちない「しこり」のようなものを私に残した。(「はじめに」より)
第7章
無内包・脱内包・マイナス内包
- 1
- 内包について
- 2
- マイナス内包
- 3
- 無内包
- 4
- マイナス内包と時間
- 5
- 無内包・脱内包とこれ性
- 6
- クオリア問題の変容
第8章
「拡張された他者」としての現実性
- 1
- 「相貌」相対主義論の概要
- 2
- 「中立的な何か」という相貌
- 3
- 絶対主義の二重性
- 4
- 絶対主義という他者
- 5
- 動物という他者
- 6
- 存在論的忘却
- 7
- 「自由という相貌」のパラドクス
第9章
「無いのではなくて存在する」ではなく
- 1
- 「ある」追跡の道
- 1-1
- ベルクソンによる「無」の観念批判
- 1-2
- 「欠如」とは違う「空白」
- 1-3
- 肯定主義の徹底
- 1-4
- 無内包の現実
- 1-5
- 「ある」の最右翼
- 1-6
- 単一体形成的な矛盾
- 1-7
- 「ない」の最左翼へ
- 2
- 「ない」追跡の道
- 2-1
- ヴァン・インワーゲンの議論
- 2-2
- 「二種類の差異化」の変形
- 2-3
- 「無」の区別
- 2-4
- 「無」の深まり【1】
- 2-5
- 「無」の深まり【2】
- 2-6
- 時間に巻き込まれた「無」
- 3
- 結論
おわりに
現実性こそ神である
- 1
- アンセルムス体験
- 2
- 思考と存在と現実性
- 3
- 三者関係と現実性
- 4
- 現実性という神
- 追記とあとがき――Actu-Re-alityについて
- 初出情報
- 人名索引
- 事項索引