さすがは深緑先生!!期待を裏切らないです!!非常に面白かったです。まさかあの最後があるとは!!
どうか、どうか、混沌が続いているその時代に、そして、その後も瓦礫のうえに生きていかねばならないアウグステに、あの、青空の広がるすばらしさのように、生きる希望を与えてほしいと思いました!
書泉ブックタワー江連聡美さん
第二次世界大戦中のベルリンの空気が肌に伝わる精彩な描写に、ぐんぐん引き込まれました。小説でありながらルポルタージュさながらのリアリティに、痛ましい出来事が起こるたび目を背けたくなるほどでした。戦時の不安、混乱、そして人間の愚かしさが胸に残りました。
三省堂書店 海老名店大谷友美さん
戦火の名残が人々の心に深い翳を落とすベルリンを舞台に少女の旅を描いた本書は、落ち着いた文章で紡がれ、決して誇張することはしないが、常に痛みに満ちている。世間の在り方を単純な善と悪で区切ることなく、残酷な真実からも目を背けることなく、物語は進んでいく。とても誠実な物語だ。そしてこの誠実さはやがて読者の信頼へとなっていく。この信頼があるからこそ、本書のミステリとしての側面がどれだけ衝撃的で残酷、そして見たくないものであっても、読者は受け入れられるのかもしれない、と思いました。本書は重く苦しく、決して読み心地が良いとは言えない。完璧に理解できたとは言わない。しかしこの小説でしか味わえない感覚がある。そういうものこそ名作と呼ぶのだろう、と言いたくなるような力強さがあります。古処誠二『いくさの底』とともにミステリ史上に残るべき、現代の戦争小説という印象を抱きました。
明文堂書店 金沢野々市店瀬戸亮太さん
「深緑野分が面白い」というのはいろんな方からきいていたのですが、未読でした。本作が初めて。何で今まで読んでなかったんだ……めちゃくちゃ面白いやないかー!という後悔半分と、いや、遅ればせながらこの作家の作品を読むことができて本当に良かった……という喜び半分。一見で分類するとミステリなのだろうが、この作品の中でのふれ幅がものすごくて、世界の広がり方が無限だ。もっと読みたい!!
大垣書店 イオンモールKYOTO店辻香月さん
恩人の不審な死という始まりこそミステリ小説ですが、その後、主人公の道中で描かれる荒廃した街の描写や、戦争で傷を負った人々との出会い、主人公自身の暗い過去……と、スケールの大きな歴史小説へと変貌し、読み応えのある小説を読んだという満足感に包まれました。文章もディティール細かく、当時のドイツの空気がリアルタイムで伝わるようでした!
書店員森口俊則さん
少しずつ明らかになる秘密と、少女の生い立ち。
ドキドキしてページをめくる手が止まりませんでした。
ラストの展開には驚きました。
明屋書店 新田原店加来智美さん
もしも自分がこの主人公だったら……もしくは、もしかしたら、自分がこの主人公だったかもしれない……そう思うと胸がしめつけられて涙がとまりませんでした。
ゲオ 福江店立花沙八加さん
敗戦という大きな時代のうねりの中で起きた一人のドイツ人の不審死。一人の少女に課せられた使命とは……
ページをめくったその瞬間、砂塵と鉄の臭い、ベルリンの瓦礫の真っ只中にいた。
一人強く生きている少女に強く感情移入していく。
生きなければならない。生きて伝えなければならない。
彼女の覚悟を知ったとき、心が揺さぶられました。
だけど前を向いて、ひたすらに生きて!!
平和書店 TSUTAYAアルプラザ城陽店奥田真弓さん
一気読みした。
タイトルの問いへの答えは、きっと作品を読んだ人1人1人で違う。
私にとっての空は、土砂降りの雨だった。
傷だらけの人しか出て来ないのに、誰1人絶望していない。
戦争の怖さばかりが描かれているのに、目が離せない。
人は、なんて貪欲で無力で、情が深く、したたかなのだろう。
自分の人生を人に話すのは、信頼を示すこと。
嘘をつかずに人と向き合うのは、信用を表すこと。
生き残った彼らが、それを選択できることに、感服した。
17歳の少女が主人公だと、最初は忘れていた。
私の知っている17歳よりも、はるかに年老いていた。
戦争が奪ったものは、命だけではない。
回想の中の彼女は年相応で、とても切なかった。
ジュンク堂書店 立川高島屋店福岡沙織さん
分割統治下に置かれたベルリン。
戦争で身内を亡くし瓦礫の中を生きていく少女アウグステ。
壊れた街。焼けた建物。それらに慣れ切ってしまった人々が生きている。そう生きているのだ。
何を読んでも良い、どんな言語でも。
そんな時はずっと続くのだろうか。
読後タイトルが体に染み渡る、「ベルリンは晴れているか」。
今も紛争が続く国や他人事ではない世界情勢を思いながら空を見上げました。
明林堂書店 大分本店多田由美子さん