中世を旅する人びと
西洋中世の庶民の社会史。
旅籠が客に課す厳格なルールや、
遍歴職人必須の身分証明のための暗号など、
興味深い史実を紹介。
定価:1,320円(10%税込) ちくま学芸文庫 ISBN:9784480091574
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日本では鎌倉時代後期にあたる1284年。ドイツ北部の小都市ハーメルンの町にネズミが大繁殖し、人々を悩ませていた。ある日、町に笛を持ち、色とりどりの布で作った衣装を着た男が現れ、報酬をくれるなら街を荒らしまわるネズミを退治してみせると持ちかけた。ハーメルンの人々は男に報酬を約束した。男が笛を吹くと、町じゅうのネズミが男のところに集まってきた。男はそのままヴェーザー川に歩いてゆき、ネズミを残らず溺死させた。しかしネズミ退治が済むと、ハーメルンの人々は笛吹き男との約束を破り、報酬を払わなかった。
約束を破られ怒った笛吹き男は捨て台詞を吐きいったんハーメルンの街から姿を消したが、6月26日の朝(一説によれば昼間)に再び現れた。住民が教会にいる間に、笛吹き男が笛を鳴らしながら通りを歩いていくと、家から子供たちが出てきて男のあとをついていった。130人の少年少女たちは笛吹き男の後に続いて町の外に出てゆき、市外の山腹にあるほら穴の中に入っていった。そして穴は内側から岩でふさがれ、笛吹き男も子供たちも、二度と戻ってこなかった。物語によっては、足が不自由なため他の子供達よりも遅れた1人の子供、あるいは盲目と聾唖の2人の子供だけが残されたと伝える。
(フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)より一部引用』)
(解説「泉のような明晰」より)