【収録作品】
「こちらあみ子」:あみ子は、少し風変わりな女の子。純粋なあみ子の行動は、周囲の人々を否応なしに変えていく。太宰治賞・三島由紀夫賞受賞のデビュー作。
「ピクニック」:ルミたちが働く店に、年長の新人・七瀬さんが加わった。お笑いタレントとの恋を語る彼女の生活は、思いもよらない方へ転がって……。
「チズさん」:近所に住むおばあさんのチズさん。まっすぐに歩けない。傘もさせない。唯一話せることばは、孫の名前だけ。
ISBN:978-4-480-43182-0/704円(10%税込)/237ページ
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いつか、たった一人の読者の手によって、ボロボロになるまで繰り返し読んでもらえるような物語を生み出すことができたら、どんなにか幸せだろうと思っています。そういう物語は、書く側が命懸けで臨まない限り決して生まれてこないのだと、今更ながら思い知った次第です。
── 今村夏子(太宰治賞受賞の言葉より)
なぜ、わたしたちはあみ子にひかれるのか。誰もが自分のなかに小さな『あみ子』の世界があるからだ。
── ジュンク堂書店・小海裕美 さん
子供の凶暴なまでの純真さ。それを描ききる無垢な筆。賞賛というより畏怖の領域。
── 紀伊國屋書店・竹田勇生 さん
自分も、小学校の授業開始までに、教室にたどりつけない子供だったことを思い出しました。あみ子の気持ち、まわりの人間の思い、どちらもはいり込んでしまい、ぐるぐるしました。
── 丸善・脊戸真由美 さん
(2014年6月時点で寄せられたコメントです)