太田志加次
二等機関兵曹
没年29歳2カ月
静岡/高小卒/九志/二男一女の次男
ミッドウェー海戦。それは、太平洋戦争の決定的転換点となり、
そして大本営がはじめて隠した敗戦だった。
「日本の勝利」とされた陰で、どのような個人が生き、戦ったのか──。
7年もの歳月をかけて日米戦死者3418人を突き止め、
彼らと遺族の声から一人ひとりの姿を拾い上げる。
全員の没年齢、出身地、階級などを記した戦死者名簿と
その詳細な統計を付し、戦闘経過を史料から跡付ける。
前例のないその仕事の功績によって菊池寛賞を受賞した、
執念の記録。
新聞
2023.9.24
TV
2023.8.17
新聞
2023.8.10
新聞
2023.7.23
新聞
2023.7.8
新聞
2023.6.18
没年29歳2カ月
静岡/高小卒/九志/二男一女の次男
没年23歳3カ月
岡山/小卒/十五徴/農業/二男二女の長男
没年25歳1カ月
愛媛/高小卒/十志/農業/一男一女の長男
没年25歳8カ月
愛媛/十二徴/農業/四男四女の七番目(四男)
没年23歳4カ月
40年4月26日、21歳で入隊/第六雷撃機中隊ホッジス機の射撃手/未婚
第二部 戦死者と家族の声 より
日本側3056名、アメリカ側362名の戦死者の生年、所属階級、
出身地などをあらゆる手をつくして突き止めた、圧巻の名簿。
第四部 戦死者名簿 より
かつての日本の社会は、個人のいのちの重さなど問題にしなかった。兵役法という強権で軍隊に召集はしても、どこでどのように死んだのかを確認する仕事は、国家の義務ではないようであった。天皇のために生命を捧げ得た名誉、靖国神社に神として祀られるほまれ。それが死者のいのちの重さの代償だったような気がする。いのちは軽かった。
戦後四十年たっても、本質はどれだけ変ったのだろうかと思う。それなら敵として戦かったアメリカ人はどうなのだろうか。そのいのちはどれくらい重いのだろうか。同じ海戦の死者を比べたらなにか答が得られるに違いない―。
思わぬことからテーマは広く深くなっていったが、わたしが突きとめたかった本来の問は、いのちの重さであった。そしてどうにか答に到達した。敵味方ともにまとめ得た資料は無残な痛ましさにみちていて、軽々に比較などはできない気持である。
(あとがきより)
ミッドウェー海戦での日米の戦死者3418人を突き止め、手紙やインタビューを通じて彼らと遺族の声を拾い上げた圧巻の記録。調査資料を付す。
解説 戸髙一成
定価:1870円(10%税込み) ISBN:978-4-480-51187-4 発売日:2023/6/12
カバーデザイン: 間村俊一 カバーイラスト:安野光雅