論点で学ぶ 小論文キーワード 編著者のことば

この本は、入試小論文を書く上で知っておきたい論点やテーマを学びながら、「小論文を書く力」を身につけることを目的としています。

小論文で求められている力は、決して特別なものではありません。それは、「書き方のスキル」と「書く内容の蓄積」の二点に集約されます。

前者は、問いを正しく読み取り、主張を明確にし、その理由や具体例を順序立てて示すといった、いわば技術的な側面です。

後者は、志望する学部・学科と関連するテーマについての知識や論点、体験のストックです。小論文では、その場でゼロから考え出すのではなく、日頃から蓄えてきた考えや知識、経験を組み合わせて論を組み立てていくことが求められます。こちらは、極端な場合、知識がないとまったく手が出ない場合もあります。

本書は、この二つの力をバランスよく身につけられるように構成しました。まず、各章の「イントロダクション」や「キーワード解説」では、入試小論文で頻出する論点やテーマを取り上げ、それぞれについて「何が問われているのか」「どのような視点が重要なのか」を解説します。これらは「書く内容の蓄積」に相当します。

そのうえで、「ワーク」や「実戦演習」を通じて、実際に手を動かしながら考え、「書くスキル」を高める練習を重ねていきます。読むだけで終わらせるのではなく、自分の言葉で書いてみることで、小論文を書く力は初めて定着するからです。

小論文の答案を通じて大学が見定めようとしているのは、知識の有無ではなく、「学問をする適性」です。答案は、そのためのコミュニケーションツールですから、答える側は、出題者の意図や問いを正確に理解し、「学問をする適性」を表現しなければなりません。

本書がその一助になれば幸いです。

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