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小説は想像力の宝庫としてあなたを待っている
高校生のための近現代文学ベーシック
ちくま小説入門 改訂版
紅野謙介/清水良典 編
978-4-480-91742-3 本体1000円+税
好評の『ちくま小説入門』に待望の改訂版登場。読解のポイントは二色刷りでより見やすくなり、収録作品も大幅刷新。一層幅広い表現に親しめる。詳細な別冊解答編付き。
指導用CD-ROM(本文・評価用問題例データ)完備
編者のことば
一六、七世紀頃にヨーロッパで生まれた小説は、それ以前のさまざまな神話や叙事詩、物語を吸収してみるみるうちに増えていった。神々や特別な能力をもった英雄や美しいお姫様たちの登場する物語から、次第にその社会で多数を占めるようになる階層のふつうの人々を描いた読み物として小説が出現したのである。伝統的な文化や生活から切り離され、いやおうなく変化することを宿命づけられた近現代の社会に生きている私たち。そこで恩恵を受け、喜怒哀楽を共にする人々が小説を受け入れ、小説を育んできたのである。
目 次
【第一部】小説への招待
小説の仕組み
小説の表現
小説の豊かさ・可能性
小説の読解
【第二部】
第一章 出会いの物語
星 新一「ボッコちゃん」
角田光代「ふたり」
中村文則「郵便局で」
佐藤春夫「蝗の大旅行」
アントン・チェーホフ「芝居がはねて」
〈 コラム 〉 作家の出発と本が出るまで
第二章 ここではない別の場所へ
中 勘助「銀の匙」(抄)
稲葉真弓「唇に小さな春を」
村田沙耶香「ポチ」
小川洋子「ひよこトラック」
ルシア・ベルリン「私の騎手」
〈 コラム 〉 翻訳と小説
第三章 見えるものと見えないもの
吉本ばなな「満月」(抄)
梶井基次郎「闇の絵巻」
石川 淳「乞食王子」
萩尾望都「柳の木」
〈 コラム 〉 「断片」の宇宙
第四章 語りの力
半村 良「簞笥」
小池昌代「どよどよ」
中島 敦「狐憑」
葉山嘉樹「セメント樽の中の手紙」
エドガー・アラン・ポー「黒猫」
〈 コラム 〉 小説を読む身体
第五章 私らしさを探して
氷室冴子「なんて素敵にジャパネスク」(抄)
村上春樹「四月のある晴れた朝に100パーセントの女の子に出会うことについて」
山川方夫「待っている女」
レイ・ブラッドベリ「四月の魔女」
〈 コラム 〉 創作のススメ
内容見本

①読解の基礎を学ぶ「小説への招待」が二色刷り
小説を読むにあたって押さえておきたいポイント(人称・文体・話法・時間と空間・修辞・主題など)や小説の魅力を解説し、芥川龍之介「蜜柑」を 用いて実践的な読解の手順を学べる第一部「小説への招待」が、本改訂から二色刷りに。より使いやすい紙面になりました。

②解答力の育成に役立つ別冊解答編付き
作品鑑賞や脚問・手引きの解答のほか、本文中で注目すべき表現や読解の要点などについて解説した冊子付き。より見やすくなった図解や、書影付きの読書案内で、学習意欲と小説への興味を高めます。

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