幸田文
( こうだ・あや )1904-1990。東京向島の生まれ。父露伴より家事、身辺にわたりきびしい躾をうける。24歳のとき嫁いだが10年後に離婚。実家にもどり晩年の父をみる。その死を述べた「終焉」「葬送の記」で文壇に登場。つづいて「こんなこと」「みそっかす」。ほかに長編「流れる」「勲章」「笛」など。ジャーナリズムと隔たりをとり、みずからの足跡に刻むようにして文筆をつづけた。
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幸田文は人生に三度、隅田川のほとりに暮らした。最初は、生まれてから二十歳まで向島で、次に嫁ぎ先の新川で、そして作家になってから休筆して赴いた柳橋である。日々の暮らし、また重要な転機の折々に、川は彼女を育み、癒し、励ました。「川すじの思い」「水辺行事」「船内屋さん」など、隅田川を主に、「水の風景」をテーマにしたセレクションである。
第1章 育む水(川すじの思い
川と山のにおい
地がね
川のほとけさま
用という字
蜜柑の花まで
雪
川すじ
流れる)
第2章 暮らしの水(水辺行事
廃園
蓮地のふるさと
みずばち
船内屋さん
あだな
ゆうだち
湿地)
第3章 海への憧れ(夕日と〓@6ED8@
鯨とり
濡れた男)
第4章 暴ぶる水(二百十日
川の家具
地しばりの思い出
鳴戸観潮
水の力
崩壊雑談
そのあと)
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