内田百閒
( うちだ・ひゃっけん )1889-1971。岡山市の生まれ。本名は栄造。ペンネームは郷里の百閒川にちなむ。旧制六高在学中は俳句に親しむ。東大ドイツ文学科卒。陸軍士官学校、海軍機関学校、法政大学等でドイツ語を教える。教師をやめたのち作家活動に入り、特異な幻想をつづった短編集「冥途」「旅順入城式」を発表。飄逸な「百鬼園随筆」によってひろく世に出た。借金術の大家で、鉄道好きとしても知られていた。
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『麦酒がなければ、ないと云う為になおの事飲みたくなる。…怪しからん話だと云う事は自分にも解っていたので飢渇の亡者タンタルスの名を文題としたのであるが、行文の間に未練が残って、タンタルスを書こうとするかタンタルスが書いているのか…』(「タンタルス」より)。酔わせてくれるものは酒、飛行機、船。心地良いものを追い求め、羽化登仙の感興を語る随筆集。
翠仏伝
饗応
初泥
三鞭酒
年賀
酒光漫筆
養生訓
窮屈
タンタルス〔ほか〕
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