田中小実昌
( たなか・こみまさ )1925年東京生まれ。東京大学文学部哲学科中退。バーテン、香具師などを転々とする。J.H.チェイス、R.チャンドラー、C.ブラウンの名訳で知られる。「浪曲師朝日丸の話」「ミミのこと」で第81回直木賞、『ポロポロ』で第15回谷崎潤一郎賞を受賞。2000年2月アメリカで客死。
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「哲人コミさん」とも呼ばれていた通り、田中小実昌は本をよく読み、ことばに厳しい人でもありました。ミステリの翻訳をするにも、いきいきとした言い回しを生み出す一方で、英語の文脈の中にあるコトバの意味を損ねぬままに日本語に移そうと苦心惨澹していたのです。本巻では、コトバとの接し方とミステリ翻訳の舞台裏、それから書評を盛り込みました。
第1章 コトバと生きる(言葉の顔
たとえば昔は ほか)
第2章 翻訳ウラおもて(さいしょの訳
ひさしぶりの翻訳 ほか)
第3章 コミマサ流ミステリ案内(だらしない探偵
マイルズ・アーチャーはどこで殺されたか ほか)
第4章 訳者あとがき大全(『女は待たぬ』(A・A・フェア)
『通り魔』『レディ・キラー』(エド・マクベイン)、『うまい汁』『梟はまばたきしない』『蝙蝠は夕方に飛ぶ』『倍額保険』(A・A・フェア) ほか)
第5章 コミマサが読む(タメにならぬ読書の奨め
人間的でもこまる ほか)
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