井伏鱒二
( いぶせ・ますじ )井伏 鱒二(いぶせ・ますじ):1898-1993年。広島県福山市生まれ。本名満寿二。はじめは画家をも志すも、やがて文学に専心し、『鯉』『山椒魚』で文壇に登場。独自のユーモアと哀感ただよう多くの作品を書いた。主な作品に『へんろう宿』『漂民宇三郎』『珍品堂主人』『黒い雨』など。『井伏鱒二全集』全28巻別巻2がある。
loading...
「芸術の道は遠い。涯しがないかのごとくである。」50年にわたり火花をちらした己の努力をかえりみて、しんみり教えを垂れる師・坪内逍遙、映画の悲しい場面になると、ハンカチで顔を覆って泣きくずれた中島健蔵が、猛者で鳴らした将校の首をつかんで叱りつけた姿、太宰治の最初の妻小山初代の遺品である琴に映じた人影を描く名品「琴の記」、さらに鴎外・白鳥・岩野泡鳴・小林秀雄・大山名人・上林暁・小沼丹等の面影が、温雅な筆に鮮やかに浮かび上がる。
鯉(随筆)
坪田譲治
追憶の岩野泡鳴氏―泡鳴忌に際して
森鴎外氏に詫びる件
書画骨董の災難
喪章のついている心懐
坪内逍遙先生
肩車
岩田君のクロ
中島健蔵氏のこと〔ほか〕
本書をお読みになったご意見・ご感想などをお寄せください。
投稿されたお客様の声は、弊社HP、また新聞・雑誌広告などに掲載させていただくことがございます。