ちくま新書
歴史学はこう考える
松沢裕作
著
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人が死んだとき、残された者は、去っていった者にどのような言葉をおくるのか。弔辞はまず、なによりも弔辞を読む人間による文章作品である。しかし、そこにあらわれるのは、故人の人柄、故人への思いだけではない。それは短い伝記であり、短い現代史でもある。また、「死者」の存在をどのように扱うか、という文化的な問題をうかがうにも好個の資料である。政治家・経営者・宗教家・文学者などの弔辞を精緻に読み解き、「日本人の死生観」を捉えなおす論考。
第1章 弔辞とはなにか
第2章 政治家の弔辞―中曽根康弘から故岸信介へ/江田三郎から故浅沼稲次郎へ
第3章 社葬における弔辞―谷井昭雄から故松下幸之助へ
第4章 キリスト教知識人の弔辞―南原繁のばあい
第5章 文学者の弔辞―近代文学同人から故原民喜へ
終章 もう一度、弔辞とはなにか
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