貫成人
( ぬき・しげと )一九五六年神奈川県に生まれる。一九八五年東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学。現在、専修大学文学部教授。博士(文学)。著書に『哲学マップ』(ちくま新書)、『経験の構造──フッサール現象学の新しい全体像』『歴史の哲学──物語を超えて』(勁草書房)、『ニーチェ』『フーコー』(青灯社)など多数がある。
loading...
われわれは、ある限られた状況からの眺め・考え・感覚をたやすく真理ととりちがえてしまう。この病いを癒すためにもっとも有効なのが、ニーチェにはじまる二〇世紀の哲学にほかならない。真理の相対性を明らかにしたニーチェ、その生成メカニズムを分析したフッサール、われわれが真理をいかに生きているかを問い直すメルロ=ポンティ、そして、権力との共犯関係を暴くフーコーを軸に、さらに分析哲学の真理観までを紹介。現代哲学の、そして、われわれが生きることの入門書。
第1章 真理の脱価値化―ニーチェ(“眺望固定病”
力への意志
“自我”“真理”“実体”)
第2章 真理の生成―フッサール(“真理”の場所―志向性理論
自我という構造
超越論的速度性)
第3章 生きられる真理―メルロ=ポンティ(原初的構造―『行動の構造』
“状況-身体‐系”の力動的分析―『知覚の現象学』
“世界”の分節化―知覚
肉)
第4章 真理の政治性―フーコー(「理性」の他者―『狂気の歴史』
『言葉と物』
権力と生政治
言説が生成する場―力への意志
フッサール、メルロ=ポンティ、フーコー)
第5章 真理制作の方法―フレーゲからクワインまで(分析哲学の歴史
超越論的パースペクティヴィズムと分析哲学)
本書をお読みになったご意見・ご感想などをお寄せください。
投稿されたお客様の声は、弊社HP、また新聞・雑誌広告などに掲載させていただくことがございます。