松本健一
( まつもと・けんいち )1946年群馬県生まれ。東京大学経済学部卒業。麗澤大学教授。評論・評伝・小説など多方面で活躍する。著書に『評伝北一輝』(全5巻、岩波書店)、『近代アジア精神史の試み』『大川周明』『竹内好論』『開国のかたち』(以上、岩波現代文庫)、『日本の近代1開国・維新」(中央公論新社)、『泥の文明』(新潮選書)、『海岸線の歴史』(ミシマ社)、『司馬遼太郎の「場所」』(ちくま文庫)など、共著に『占領下日本』(筑摩書房)などがある。
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近代日本のナショナリズムはどこで道を誤ったのか。一九一五年の対支二十一カ条の要求や、統帥権干犯問題、斎藤隆夫の粛軍演説の問題、北一輝の思想などを題材に、戦前日本のナショナリズムが迷走し、暴走した原因を追究する。さらに、現代の東アジアにおけるナショナリズムが惹き起こしてきた領土や歴史認識をめぐる各国間の軋轢を根源から再考察し、民主党への政権交代で注目を集めている東アジア共同体構想を含め、ナショナリズムを超えた東アジアの未来像を展望する。
第1章 日本国家の未来像(「第三の開国」とアジア重視への転換
「開国」とは何か)
第2章 日本ナショナリズムの曲がり角―対支二十一カ条要求とポピュリズム(「大東亜戦争」と「東洋」の真意
「対支二十一カ条の要求」と膨張主義 ほか)
第3章 リアリズムとロマン主義のあいだで―斎藤隆夫と北一輝(予言的な思想家
明治の天皇機関説 ほか)
第4章 日本のナショナリズムとは何か(パトリオティズムとナショナリズム
東アジアにおける国民国家の形成 ほか)
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