中山元
( なかやま・げん )中山元(なかやま・げん)1949年生まれ。東京大学教養学部中退。思想家・翻訳家。著書に『思考の用語辞典』などが、訳書にカント『純粋理性批判』、ハイデガー『存在と時間』などがある。
loading...
西洋思想史上、「正義」について考えることは、「道徳」「倫理」「政治」などの問題とかかわりあいながら、つねにひとつの軸となってきた。「公正さとは何か」「正しさの基準はどこにあるのか」などなど、今日でも喫緊の課題として論じられるこれらについて、大思想家たちの「名著」は大きなヒントと刺激を与えてくれることだろう。プラトン、アリストテレスから、ホッブズ、ロック、ベンサム、ニーチェ、さらにはロールズ、デリダ、サンデル…。この一冊で主要な思想のエッセンスがわかる。
第1章 公共善と正義(ホメロス『オデュッセイアー』―ゼウスの正義
プラトン『国家』―正義は、国家や人間における調和である ほか)
第2章 社会契約論と正義(ホッブズ『リヴァイアサン』―国家が正義を執行する
スピノザ『エチカ』―民主的な国家のうちで最高の自由と正義が実現する ほか)
第3章 市民社会論(ヒューム『人性論』―人間はその本性からして社会を作り、正義を実現する
アダム・スミス『道徳感情論』―人間には正義を望む道徳的な感情がある ほか)
第4章 現代の正義論(マルクス『ドイツ・イデオロギー』―イデオロギーとしての正義
ニーチェ『道徳の系譜学』―約束する人間の正義とルサンチマンの正義 ほか)
本書をお読みになったご意見・ご感想などをお寄せください。
投稿されたお客様の声は、弊社HP、また新聞・雑誌広告などに掲載させていただくことがございます。