福澤諭吉
( ふくざわ・ゆきち )1835(天保5)年~1901(明治34)年。著述家、教育者。「時事新報」発行人。近代日本最大の啓蒙思想家。慶應義塾の創設に力を尽くした。著書に『学問のすすめ』『文明論之概略』『西洋事情』『福翁自伝』など多数がある。
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福澤諭吉の著した数多くの評論の中から、幕末・維新期の社会の様子を鋭く観察し画期的な提言が冴える四編を厳選して平易な現代語訳とした傑作選。旧幕臣の勝海舟・榎本武揚を筆で斬り、賊軍の首魁として散った西郷隆盛を弁護する。過去の封建社会・身分制の実情を浮き彫りにし、官尊民卑の風潮に痛烈な批判を浴びせ、民に用意された無限の可能性を力説する―新しい時代にふさわしい鮮やかな筆致で「この国のかたち」を大きく描き直す過程において何が必要か、我々に大きな示唆を与えてくれる。
旧藩情(旧中津藩士の身分
上士と下士は権利が違った ほか)
痩我慢の説(立国は公ではない
忠君愛国の美徳は相対的なもの ほか)
明治十年丁丑公論(西郷を誹謗する論説の流行
新聞記者の論調の浅はかさ ほか)
士人処世論(立身の道は官吏だけではない
官吏の世界は極楽ではない ほか)
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