苅部直
( かるべ・ただし )1965年東京都生まれ。東京大学教授。専門は日本政治思想史。著書に『光の領国 和辻哲郎』(岩波現代文庫)、『丸山眞男――リベラリストの肖像』(岩波新書、サントリー学芸賞)、『鏡の中の薄明』(幻戯書房、毎日書評賞)、『秩序の夢』(筑摩書房)など。
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千数百年におよぶ日本思想史上には、画期となる名著が多数生まれてきた。あるときは神話や物語、説話の形をとり、またあるときは歴史書・史論、社会・政治評論、そして近現代にはアカデミズムの産物として現れてきた研究書や「日本国憲法」などの法文―それらの名著群を博捜するなかから三十点を選りすぐり読み解くことで、「人間とは何か」「人間社会とは何か」という普遍的な問いに応える各時代の思考様式を明らかにする。遠い過去の思考に、現代を考えるヒントをさぐる。
1(『古事記』―国土とカミの物語
聖徳太子「憲法十七条」―古代王朝における「和」 ほか)
2(山崎闇斎『大和小学』―神代史にひそむ普遍
新井白石『西洋紀聞』―異文化間の理解は可能か ほか)
3(會澤正志斎『新論』―徳川末期の総合政策論
横井小楠『国是三論』―「公論」の政治と世界平和 ほか)
4(吉野作造「憲政の本義を説いて其有終の美を済すの途を論ず」―リベラリズムのゆくえ
平塚らいてう『元始、女性は太陽であった』―フェミニズムの夜明け ほか)
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