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ちくま新書

持続可能な交通まちづくり

——欧州の実践に学ぶ

誰もが参加できる活力ある豊かな社会へ

欧州で成功している「持続可能な都市モビリティ計画」に学べば日本も活力を取り戻せるはずだ。交通政策の歴史的経緯を踏まえこれからの具体的な戦略を提言する。

定価

1,012

(10%税込)
ISBN

978-4-480-07651-9

Cコード

0231

整理番号

1824

2024/10/08

判型

新書判

ページ数

272

解説

内容紹介

欧州では、大都市も地方都市も、街の空間を再編し、多様な移動の選択肢を提示することで豊かな生活を実現しつつある。これはEUが提示した「持続可能な都市モビリティ計画(SUMP)」に基づく交通まちづくりの成果といえる。欧州の事例をそのまま日本には適用できなくとも、良いところを学ぶことで活力を取り戻せるはずだ。欧州における最新の取り組みと背後にある考え方、日本の交通政策の歴史的経緯を踏まえつつ、これからの日本に求められる具体的な戦略を提言する。

目次

はじめに

第1章 モビリティが支える豊かな生活
1 宇都宮市――ライトレールがもたらした変化
2 富山市――公共交通がライフスタイルを変えた
3 ひたちなか市――鉄道は町のたからもの
4 小山市――コミュニティバスの挑戦

第2章 オーストリア・フォアアールベルク州の劇的な変化
1 フォアアールベルク州の概要
2 フォアアールベルクの公共交通
3 手間いらずのきっぷ
4 小さいながら活気のある町

第3章 フォアアールベルクを変えた「ビジョン・ラインタール」
1 市民とステークホルダーの参画
2 ビジョン・ラインタールの掲げる目的と施策
3 車なしでも実現できる高いアクセシビリティ
4 大都市並みの公共交通サービス実現のための制度と資金調達
5 持続可能なフォアアールベルクへ

第4章 持続可能性とはなにか
1 持続「不可能性」から考える
2 持続不可能なものの特徴
3 持続可能な社会づくりのために

第5章 モビリティはなぜ重要なのか
1 社会の基盤としてのモビリティ
2 モビリティ実現の手段としての交通機関の発達
3 交通によるエネルギー消費と温室効果ガスの排出
4 交通手段とエネルギー
5 地域の社会・経済の持続可能性とモビリティ
6 持続可能な社会に向けたモビリティの選択肢

第6章 モビリティ計画「SUMP」とは何か
1 SUMPの経緯と概要
2 SUMPフェーズ1――準備と分析
3 SUMPフェーズ2――戦略の策定
4 SUMPフェーズ3――施策の策定
5 SUMPフェーズ4――実施とモニタリング
6 SUMPを巡る新たな動き

第7章 欧州から何を学ぶことができるのか
1 交通まちづくりにかかる日本の制度
2 バックキャスティング・アプローチ
3 EBPM――エビデンスに基づいた政策づくり
4 データ整備
5 統合的な施策策定
6 事業評価と財源確保

第8章 日本の課題と戦略――豊かな未来に向けて
1 持続可能性を交通まちづくりの目的に
2 公と民の役割分担の見直し
3 戦略の策定に向けた知恵の結集
4 夢とビジョンをもってまちづくりを

あとがき
参考文献

著作者プロフィール

宇都宮浄人

( うつのみや・きよひと )

宇都宮 浄人(うつのみや・きよひと):1960年生まれ。関西大学教授、ウィーン工科大学客員教授(2017年度、2024年度上期)。京都大学経済学部卒業。京都大学博士(経済学)。専門は交通経済学、経済統計。著書に『地域公共交通の統合的政策』(東洋経済新報社、国際交通安全学会賞、日本交通学会賞受賞)、『地域再生の戦略』(ちくま新書、交通図書賞受賞)、『鉄道復権』(新潮選書、交通図書賞受賞)など。

柴山多佳児

( しばやま・たける )

柴山 多佳児(しばやま・たける):1983年生まれ。ウィーン工科大学上席研究員、芝浦工業大学客員准教授、運輸総合研究所客員研究員。東京大学大学院工学系研究科社会基盤学専攻修了。ウィーン工科大学博士(工学)。専門は交通工学、交通計画。2021-22年のオーストリア政府「モビリティ保障」研究プロジェクトリーダー。著書に『エコブームを問う――東大生と学ぶ環境学』(編著、学芸出版社) 、International Perspectives on Public Transport Responses to COVID-19(編著、エルゼビア)など。

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