沖森卓也
( おきもり・たくや )沖森 卓也(おきもり・たくや):1952年生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科修士課程修了。立教大学名誉教授。博士(文学)。専門は日本語学。とくに日本語の歴史的研究。『辞林』シリーズ(三省堂)を長く監修、執筆してきている。著書『日本語全史』(ちくま新書)、『日本古代の表記と文体』『日本語の誕生』(以上、吉川弘文館)、『はじめて読む日本語の歴史』『日本の漢字――1600年の歴史』(以上、ベレ出版)、『図説 日本の辞書100冊』(編著、武蔵野書院)など。
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中国で生まれた漢字は日本語と邂逅し、日本文化に大きな影響を及ぼした。字形・字音・字義は日本独自に発達した面も少なくない。本書は日本における漢字の歴史を言語の側面のみならず、日本の文化や人々との係わりを通して描き出す。古代における漢字の受容、漢文・漢語の定着と万葉仮名の展開、中世の漢字・漢文の和化、和漢混淆文と字音の独自変化、江戸時代の漢学・漢字文化の隆盛、そして近代以降の漢字簡素化・字形整理――より深い日本の漢字文化理解のための必携の通史。
まえがき
第一章 伝来――五世紀まで
1 日本最古の漢字使用
2 漢字の伝来
3 漢字伝来の背景
4 黎明期の漢文作成
第二章 受容――六~八世紀
1 訓の成立
2 大陸との往来
3 日本漢字音
4 万葉仮名
5 文章表記の進展
6 漢文理解の広がり
第三章 定着――九~一二世紀
1 唐との関係
2 漢語・漢文の浸透
3 漢文訓読の定着
4 漢字と仮名
5 和化の広がり
第四章 伸長――一三~一六世紀
1 日中関係と禅宗
2 漢文と漢文注釈
3 唐音と字音変化
4 和漢の混淆
5 書道と印刷
第五章 流通――一七世紀~一九世紀中頃
1 明清と近世日本
2 漢学と近世漢文
3 唐話と新漢語
4 漢字研究の諸相
5 出版と教育
第六章 発展――一九世紀中頃以降
1 漢語の増加
2 漢字の制限
3 活字と字体の整理
4 漢字と現代社会
参考文献
索引
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