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内容紹介
経済のための人間から、人間のための経済へ
「ゆたかさ」とは何だろう。国が経済成長を遂げ、モノが溢れかえる一方、人々のつながりは希薄化し、自然環境は破壊され、現代社会はますます息苦しくなっている。GDPという指標の下で富の増大を目指し、社会を測ろうとする経済学は、私たちの「ゆたかな生(ウェルビーイング)」を捉えることができているだろうか。経済成長至上主義を問いなおし、経済のための人間から人間のための経済へ――。国家や市場という枠組みに囚われず、独立した個の連帯からなる社会のかたちを構想する。
目次
はじめに――ゆたかさをどう捉え、測り、創るか
第一章 「ウェルビーイング」はどう広がったか
花盛りのウェルビーイング/政治や行政では/学界や出版界では/ウェルビーイングへの世界的動向/そもそもウェルビーイングとは
第二章 GDPとは何であったか
GDPと日本人/GDPの功罪/フローの富、ストックの富/「富」概念の歴史的変遷/国民経済計算とGDP/一人当たりGDP
第三章 「ゆたかな富」は「ゆたかな生」を意味するか
資本主義の黄金時代とその後/依存効果/豊富のなかの貧困/イースターリン・パラドクス/所得と幸福の逆説①/所得と幸福の逆説②/富と幸福をめぐるスミス「自然の欺瞞」論
第四章 社会的連帯経済とは何か
市場 対 国家を超えて/経済社会総体の三元構成/社会的連帯経済の概念と諸形態/社会的連帯経済の運営原則と経済規模/社会的連帯経済の強みと弱み
第五章 互酬と協力の原理は現代にどう生きているか
互酬と協力の市民社会思想/クロポトキンの相互扶助論/互酬とコモンズ/社会的共通資本と市民社会/ホモ・レシプロカンス
第六章 経済のための人間か、人間のための経済か
新しい社会的リスク/対人社会サービス/人間による人間の生産/非営利セクターへの期待/非営利セクターと人間形成
第七章 ウェルビーイングをどう測るか
ウェルビーイング測定への試行/UNDP「人間開発指数」/人間開発指数の長所短所/UN「世界幸福度報告」/幸福度指数からの教訓/OECD「ベターライフ・インデックス」/BLIが意味するもの/測定技法と社会ヴィジョン/日本のウェルビーイング的課題
第八章 ウェルビーイング社会をどう創るか
人間形成主導型の経済社会/「下から」の社会形成/新しい互酬性/市民社会から市民社会へ
註/あとがき
コンテンツリンク
「経済成長至上主義を問いなおす」(「はじめに」より)
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