ジョージ・スタイナー
( すたいなー,じょーじ )ジョージ・スタイナー(George Steiner): 1929-2020年。文芸批評家。ジュネーヴ大学教授、ケンブリッジ大学チャーチル・カレッジ・エクストラオーディナリー・フェローなどを歴任。多言語に通じ、古典古代から現代までの文学・哲学・芸術・科学にわたる該博な知識を駆使して執筆活動を展開した。著書に『悲劇の死』『言語と沈黙』『バベルの後に』など。
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1,540
円978-4-480-08225-1
0198
-3-1
1995/09/07
文庫判
448
頁悲劇はわれわれに向って、理性と秩序と正義との領域は恐ろしく限られていること、また、われわれの科学や技術の力がどれほど進歩してもこの領域が拡がりはしないことを、教えてくれる。人間の外と内には「他者」が、世界の「他者性」がある。ところが、古代ギリシアのアイスキュロスからシェイクスピアを経てラシーヌまでは勢いがあった、社会生活と想像力的生活とのある本質的な要素―悲劇を生み出す基本的要素―が、17世紀以後は西洋の意識から脱落してしまった。なにゆえに、17世紀は悲劇の歴史における「大分水嶺」となったのだろうか。文芸批評の枠をこえて、近代がもたらした「経験」の変容を活写する。
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