森有正
( もり・ありまさ )1911-76年。東京大学文学部仏文科卒業。東京大学助教授を経て、50年渡仏。のちパリに居を構え、26年間、ソルボンヌ、国立東洋語学校などで、日本語や日本の文学・思想を講じた。深い哲学的省察に満ちたその“思想エッセー”は、西洋思想を学ぶ者のみならず、自己に誠実であろうとする多くの読者に迎えられた。『遙かなノートル・ダム』『バビロンの流れのほとりにて』『旅の空の下で』等の代表作の多くは『森有正エッセー集成』全5巻(ちくま学芸文庫)に収録されている。
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近代日本の宿命、西欧との交わりのなかで、その思想・文化の単なる知的理解ではなく、自己の内面から西欧を血肉化し、それに対応した日本認識を自らの命題とし、日々の生活を通して西欧という現実に食い入りながら思想経験にまで高めた森有正。この前人未踏の、きびしく逞しい、豊かな展望を内に含んだ精神的営為の真髄を全5巻に集大成。第5巻は、“経験”の深まりが“変貌”をみせて、著者の思想の到達点を示す『木々は光を浴びて』全篇と、さまざまな時期に日本を論じたエッセー5篇に、1970年から76年までの日記を収録。
木々は光を浴びて(雑木林の中の反省
木々は光を浴びて、…
暗く広い流れ ほか)
故国の情感
東京の一隅
八月十五日の感想
現下の時点にあたって思う
三十年という歳月
日記(1970年1月25日~1976年8月6日)
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