江藤淳
( えとう・じゅん )江藤 淳(えとう・じゅん):文芸評論家。1932‐99。1957年、慶應義塾大学卒業。56年、結核療養中に「夏目漱石」を執筆、58年『奴隷の思想を排す』で新進評論家としての地位を確立。62年より2年間在米。東工大教授、慶大教授などを歴任した。新潮社文学賞、菊池寛賞、日本芸術院賞、野間文芸賞など受賞多数。『江藤淳著作集』全六巻・続全五巻、『新編 江藤淳文学集成』全五巻がある。
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昭和を代表する批評家、江藤淳の作品のうち文明論的な歴史意識のもとに論じられた作品を収録。他者に対する責任感と使命感を鮮やかに描く「エデンの東にて」、政治・外交・軍事において虚構性と遊戯性がもたらす無責任を論じた「『ごっこ』の世界が終ったとき」、勝海舟や西郷隆盛ら明治という時代の建設者に共感を寄せる「“みンな敵がいい”の哲学」や「南洲残影」、アメリカによる日本の占領史と占領下における言語統制・検閲を克明に再現・解釈した「閉された言語空間」など。強靭な言語観に裏打ちされた鮮烈な論考のかずかず。
エデンの東にて―世界と自分に関する二つの対話
「ごっこ」の世界が終ったとき
“戦後”知識人の破産
新しい国体
二つのナショナリズム―国家理性と民族感情
明治の一知識人
勝海舟
“みンな敵がいい”の哲学―勝海舟の思想と実践
南洲残影(抄)
閉された言語空間―占領軍の検閲と戦後日本
他人の物語と自分の物語
『戦艦大和ノ最期』初出の問題
『氏神と氏子』の原型―占領軍の検閲と柳田国男
天皇とその時代(抄)
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