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ちくま学芸文庫

聖なるものと〈永遠回帰〉

——バタイユ・ブランショ・デリダから発して

定価

1,320

(10%税込)
ISBN

978-4-480-08819-2

Cコード

0110

整理番号

-3-1

2004/03/10

判型

文庫判

ページ数

304

解説

内容紹介

「神は死んだ」。真理の経験としての“宗教”の無効は宣告された。だが、人間は聖なるものの経験を反復する。贈与、サクリファイス、消尽、パッション的愛という出来事の経験は、主体を超えた強い力が通り過ぎた痕跡として生きられるのであり、現前性というかたちで生きられる可能性をいつも除外する仕方でしか経験されないなにかを秘めている。こうした非知は、反復的・永遠回帰的にしか、そういう強烈さとしては生きられないだろう。本書は、バタイユ、ブランショ、デリダの思想から発し、系譜学的な眼差しによって、非知という異質な他者の経験を、独自の言葉で精緻に開示する。この眼差しは、宗教的なものを継承する文学・芸術の解明にまで及ぶ。書き下ろし力作評論。

目次

1章 死ぬことの経験
2章 宗教的なもの、エロティシズム
3章 供犠=祝祭の“意味”―純粋な贈与というアポリア
4章 聖なるものの経験、愛の経験、起源なき反復
5章 “同一なものの反復”というイリュージョン
6章 祝祭の“祭儀”化、侵犯行為の激しさ、革命的瞬間
7章 文学・芸術の経験と“真実”

著作者プロフィール

湯浅博雄

( ゆあさ・ひろお )

1947年香川県生まれ。東京大学大学院人文科学研究科仏文学専攻博士課程単位取得。パリ第3大学大学院に留学。東京大学大学院総合文化研究科・教養学部教授を経て、現在は同名誉教授。著書に『ランボー論──〈新しい韻文詩〉から〈地獄の一季節〉へ』、『バタイユ──消尽』、『応答する呼びかけ──言葉の文学的次元から他者関係の次元へ』、訳書にバタイユ『宗教の理論』、ドゥルーズ『ニーチェ』、デリダ『パッション』等。

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