正月休みも終わりに近づき、久しぶりに文庫本一冊を読書。
遠藤寛子著『算法少女』(ちくま学芸文庫)。
平積みのコメントが評判の書店で二ヶ月ほど前に買ったのだが、正月休みの読書になった。
時代は江戸と思われる、少女が算木を持って考える姿の表紙絵とそのタイトルに惹かれ、手に取った。
和算を追究する町医者の父と娘の物語。
まえがきによると、『算法少女』とは安永四年(1775)、実際に父娘によって出版された和算の本の題名であるという。
主人公千葉あきは市井に生きる聡明で真っ直ぐな少女である。
流派に囚われることなく、名利を捨て、和算の知識を子どもたちに伝えることによって人々の日常生活に役立てようとする姿は、iPS細胞研究の功績をみとめられ、ノーベル医学賞を受賞した山中博士の姿にも重なる。
簡潔で平易な文体に惹き込まれ、読了。
読後の清涼感はここ数年味わったことがないものだった。
著者に感謝したい。
この本は1973年に出版されたが、残念なことに、その後絶版となり、多くの関係者の協力を得て、2006年復刊にこぎつけたという。
『算法少女』は、中高生から高齢者まで多くの人に奨めたいすぐれた一冊だ。
遠藤寛子著『算法少女』(ちくま学芸文庫)。
平積みのコメントが評判の書店で二ヶ月ほど前に買ったのだが、正月休みの読書になった。
時代は江戸と思われる、少女が算木を持って考える姿の表紙絵とそのタイトルに惹かれ、手に取った。
和算を追究する町医者の父と娘の物語。
まえがきによると、『算法少女』とは安永四年(1775)、実際に父娘によって出版された和算の本の題名であるという。
主人公千葉あきは市井に生きる聡明で真っ直ぐな少女である。
流派に囚われることなく、名利を捨て、和算の知識を子どもたちに伝えることによって人々の日常生活に役立てようとする姿は、iPS細胞研究の功績をみとめられ、ノーベル医学賞を受賞した山中博士の姿にも重なる。
簡潔で平易な文体に惹き込まれ、読了。
読後の清涼感はここ数年味わったことがないものだった。
著者に感謝したい。
この本は1973年に出版されたが、残念なことに、その後絶版となり、多くの関係者の協力を得て、2006年復刊にこぎつけたという。
『算法少女』は、中高生から高齢者まで多くの人に奨めたいすぐれた一冊だ。