橋川文三
( はしかわ・ぶんそう )1922年─1983年。長崎県生まれ。東京大学法学部卒業。明治大学政経学部教授として近代日本政治思想史を教えるかたわら、戦後冷遇された日本浪曼派の思想をテーマに執筆活動を行う。主要著書:『日本浪曼派批判序説』『近代日本政治思想の諸相』(以上、未來社)『現代知識人の条件』(徳間書店)『歴史と体験』(春秋社)『西郷隆盛紀行』(朝日新聞社)『黄禍物語』『橋川文三著作集』増補版全10巻(以上、筑摩書房)
loading...
開国以来、日本の歩んできた100年、そこに生きた人々、当時の雰囲気、世相風俗を浮き彫りにした、臨場感あふれる迫真のドキュメント。公式記録や史料、体験談、新聞、雑誌、回想録、流行歌にいたるまで多方面から取材し、時代の種々相を写し出した記録現代史全10巻。復刊を待望された名著の文庫化。第7巻は、1931年の満洲事変から1937年の南京攻略の時代。内に東北農村の大凶作、権力による苛烈な弾圧、昭和維新の嵐。外に満州国の建設、抗日の激流。社会は不安と退廃に澱んでいた。その矛盾がついに大陸に噴出し、アジア解法の大義のもと、日中戦争が始まる。異常な時代の日本人の思想と行動。
アジアの郷愁
第1部 不安の気流(飢える人びと
狂騒の都市
くずれゆくもの
倒錯の時代)
第2部 急進的な人びと(政治軍人登場
昭和維新の歌
赤旗を守って
地下の英雄像)
第3部 天皇の国家(愛国神話のあけぼの
転向時代
異端の追放)
第4部 アジアの戦い(建国をめぐって
王道楽土
民族移動
中国の抗戦)
本書をお読みになったご意見・ご感想などをお寄せください。
投稿されたお客様の声は、弊社HP、また新聞・雑誌広告などに掲載させていただくことがございます。