ゲーテ
( げーて )1749~1832年。ドイツの詩人、作家、自然科学者、政治家。フランクフルトに生まれ、ヴァイマールに没。〈疾風怒濤〉の潮流の代表者。主著『ファウスト』『若きヴェルテルの悩み』『イタリア紀行』『西東詩集』ほか。色彩論、形態学をはじめとする膨大な自然研究に、近年大きな関心が寄せられている。
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イタリア旅行で南欧の植物の多様性に目を見はったゲーテは、仔細に観察し、それらを統べるものへと想像をめぐらせた。メンデルの法則が世に知られる100年以上も前に圧倒的洞察力で、植物のメタモルフォーゼを確信している。「すべては葉である」「花は葉の変形したもの」「地面の下で湿潤だけを吸収する葉を根と呼ぶ」「すぐに拡張する葉は葉柄ないし茎である」。文豪にして偉大な自然科学者の樹立した形態学は、分析と還元を旨とする現代の先端研究者たちに思いがけぬ指針を残していた。「形態学」の真髄とその周辺をていねいに掬い上げた文庫版新訳オリジナル。本書姉妹篇に『動物篇』がある。
形態学―有機体の形成と変形(形態学序論
形態学と諸科学の関係
形態学一般に関する考察
形態学への予備的研究
友好的呼びかけ)
植物学(論文「植物のメタモルフォーゼ試論」の成立
植物のメタモルフォーゼ試論
植物のメタモルフォーゼ第二試論
その後の展開
植物メタモルフォーゼ論の展開
私の論文の影響とそこで言い表された理念の展開
植物生理学の予備的研究
植物学断章
ビクノニア・ラディカンス
植物の螺旋的傾向について
著者は自己の植物研究の歴史を伝える)
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