高瀬正仁
( たかせ・まさひと )1951年、群馬県生まれ。東京大学教養学部基礎科学科卒業、九州大学大学院修了。理学博士。数学者、数学史家。元・九州大学基幹教育研究院教授。著書『高木貞治とその時代』(東京大学出版会)、『人物で語る数学入門』(岩波新書)、訳書ガウス『ガウス整数論』(朝倉書店)、ヤコビ『楕円関数論序説』(講談社)ほか多数。
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19歳の青年ガウスは、寝床から起きようとしたそのとき、正17角形の作図法を思いついた。それはユークリッド以来の大発見だったが、彼はその先を見通していた。「これはいっそう広範なある理論の系題にすぎない」。初等幾何に露頭した広範な理論とは数論である。古来それが「秘法的な数」のコレクションであったのに対し、ガウスが目ざしたのは数と数の相互関係。無数にある数を同類でくくった合同式の世界を創造し、予感のなかに見え隠れする基本定理を生涯を賭けて捜し求めた。その歩みを数学的に忠実に再現しながら、創造の不思議に迫つた原典
1 回想のガウス(『アリトメチカ研究』
ガウスの数学日記より)
2 円周等分方程式とアーベル方程式(円周等分方程式とオイラーの公式
代数方程式論におけるガウスの二つのアイデア ほか)
3 平方剰余相互法則(平方剰余相互法則の第一証明の発見の日付
二次形式の考察のはじまり ほか)
4 ガウスの基本定理とルジャンドルの相互法則(ガウスの基本定理とルジャンドルの相互法則
ルジャンドル記号に関する補足事項 ほか)
5 4次剰余の理論(有理整数域における4次剰余相互法則
ガウス整数域における数論)
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