ゲーテ
( げーて )1749~1832年。ドイツの詩人、作家、自然科学者、政治家。フランクフルトに生まれ、ヴァイマールに没。〈疾風怒濤〉の潮流の代表者。主著『ファウスト』『若きヴェルテルの悩み』『イタリア紀行』『西東詩集』ほか。色彩論、形態学をはじめとする膨大な自然研究に、近年大きな関心が寄せられている。
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ゲーテにとって旅とは、またスイスとは何だったのか。あのイタリア旅行に先立つこと12年、26歳のゲーテは『若きヴェルテルの悩み』の恋愛体験から逃れるように、スイスに向かう。「力強いライン河の烈しく泡立つ瀑布、万年雪をいただく峰々の王冠の輝き…その中に作用する創造力が脈々と魂の中にめざめてくる」と、偉大な理念を感知し科学的自然把握に決定的な指針を得る。アルプスの多種多様な自然は、研究対象の無限の宝庫であった。作品としてはまとめられなかったこのスイス体験を一書に成した本邦初の編訳書。訳者注解では、形態学・地質学などのゲーテ自然科学へと連なる体験的背景があざやかにひもとかれる。
スイスからの手紙第一部(ヴェルテルの遺稿から十五の断章)
第一次スイス旅行 一七七五年(『詩と真実』第四部から)(フランクフルトからチューリヒまで
ラファーターとボードマー ほか)
第二次スイス旅行 一七七九年(スイスからの手紙第二部)(ムーティエからシャモニまで
マルティニからヴァリスまで ほか)
第三次スイス旅行 一七九七年(スイスへの旅)(テュービンゲンからシャフハウゼンへ
シャフハウゼンのライン瀑布 ほか)
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