老子
( ろうし )古代中国の思想家にして、道教創案の中心人物と伝えられる。実在したかどうかには諸説あるが、紀元前400年ごろ、墨子や、孔子の孫・子思と同時代の人物・老たんと考える説が一般的に知られている。
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自己研鑽し、知識を増やすことは、かえって人間を不幸にするのではないか―才知がものをいい、相手を出し抜き、騙すことまでもが出世につながる中国戦国時代の中で、老子はそう考えた。そして農村の自然で素朴な生活に人間の幸せな生き方を見出し、「無為自然」の境地にいたる。無為とは不必要なことは行わないという意味で、孔子をはじめ儒家が貴ぶ学問も、自我を肥大化させるだけの不必要なものと批判した。競争社会を強く否定する老子の思想は、生き方に迷う多くの日本人を魅了してきた。己れの無力を知り、自由に生きるための知恵を、碩学・福永
上篇(道経)
下篇(徳経)
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