中村真一郎
( なかむら・しんいちろう )1918-97年。東京生まれ。東京帝国大学仏文科卒業。1942年、福永武彦、加藤周一らと「マチネ・ポエティク」を結成し、47年『1946文学的考察』を刊行する一方、『死の影の下に』で戦後派作家として認められる。以後、小説、詩、評論、戯曲、翻訳と多分野で活躍。代表作に、[春]に始まる四部作『四季』、『夏』(谷崎潤一郎賞)、『秋』、『冬』(日本文学大賞)、『蠣崎波響の生涯』(藤村記念歴程賞、読売文学賞、日本芸術院賞)、『木村蒹葭堂のサロン』など。
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名は襄、字は子成、通称久太郎。安永9年、儒者頼春水の長子として大坂に生まれる。後に、天賦の詩才と史書の叙述で天下に令名を馳せる頼山陽(1780‐1832)である。その一代の文章は、幕末期に尊王攘夷運動の原動力ともなった。作家中村真一郎は、この人物の内面を丹念に掬い上げながら、生涯の全貌と時代の知的風景を余すところなく描き出す。発表後、山陽のみならず、江戸漢詩文の再評価をもたらした傑作評伝。上巻では、精神の異変と、脱藩事件や遊蕩によって始まる山陽の生涯、一族のあり様、西遊中の交際などを扱う。芸術選奨文部大臣
第1部 山陽の生涯(病気と江戸遊学
病気と脱奔
病気その後
遊蕩と禁欲
女弟子たち)
第2部 山陽の一族(父春水
春水の知友
山陽の叔父たち
山陽の三子
三つの世代)
第3部 山陽の交友 上(京摂の友人たち(第一グループ)
京摂の敵対者たち(第二グループ)
西遊中の知人たち(第三グループ))
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