中村真一郎
( なかむら・しんいちろう )1918-97年。東京生まれ。東京帝国大学仏文科卒業。1942年、福永武彦、加藤周一らと「マチネ・ポエティク」を結成し、47年『1946文学的考察』を刊行する一方、『死の影の下に』で戦後派作家として認められる。以後、小説、詩、評論、戯曲、翻訳と多分野で活躍。代表作に、[春]に始まる四部作『四季』、『夏』(谷崎潤一郎賞)、『秋』、『冬』(日本文学大賞)、『蠣崎波響の生涯』(藤村記念歴程賞、読売文学賞、日本芸術院賞)、『木村蒹葭堂のサロン』など。
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「私は頼山陽という一人物を、小説的な想像力のたすけを藉りて再現することを目的とした」(本書「後書」)と述べるように、著者が山陽や周辺の人々を捉えるさまは、一読忘れがたい面影を残す。そこから感取されるのは、江戸後期の知識人たちとわれわれとのまぎれもない同時代性である。本書はまた、著者自身の人生が山陽のそれと呼応し、その関係の解明に力を費やした探究の跡でもあった―。下巻では、江戸の学者や山陽の弟子、諸国の知友などを眺めた後、畢生の書『日本外史』をはじめとする文業を論評して筆は擱かれる。
第4部 山陽の交友 下(江戸の学者たち(第四グループ)
江戸の文士たち(第五グループ)
諸国の知友(第六グループ))
第5部 山陽の弟子(初期の弟子たち(第一グループ)
慷慨家たち(第二グループ)
晩年の弟子たち(第三グループ)
独立した弟子たち(第四グループ))
第6部 山陽の学藝(『日本外史』
『日本政記』
『日本楽府』
『新策』と『通議』
『詩鈔』と『遺稿』
『書後題跋』)
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