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ちくま学芸文庫

帝国の陰謀

一組の義兄弟による陰謀から生まれたフランス第二帝政。「私生児」の義弟が遺した二つのテクストを読解し、近代的現象の本質に迫る。解説 入江哲朗

定価

1,100

(10%税込)
ISBN

978-4-480-09895-5

Cコード

0122

整理番号

-1-9

2018/12/10

判型

文庫判

ページ数

176

解説

内容紹介

純粋な「形式性」と起源なき「名前」の流通によって現実が作られる時代。それは、いかにして生まれたのか―。19世紀中葉、一組の義兄弟が陰謀を企てる。兄の名は、ルイ=ナポレオン。フランス皇帝ナポレオン1世の甥である。かたや父親を異にする弟の名は、ド・モルニー。「私生児」にして、のちの内務大臣・立法院議長である。権力奪取の計画は首尾よく運び、ここにフランス第二帝政の幕が上がることとなる。希薄で、シニカルな相貌をまとって…。ド・モルニーが遺した二つのテクストを読解し、マルクスが見落としたものを軽やかに描く、著者最初

目次

1 私生児
2 陰謀
3 決断
4 署名
5 議長
6 喜歌劇
7 反復

著作者プロフィール

蓮實重彦

( はすみ・しげひこ )

1936年東京生まれ。60年東京大学仏文学科卒業。同大学大学院人文研究科仏文学専攻修了。65年パリ大学大学院より博士号取得。東京大学教養学部教授(表象文化論)、東京大学総長を歴任。東京大学名誉教授。仏文学にとどまらず、映画、現代思想、日本文学など多方面で精力的な評論活動を展開し続けている。著書に『表層批評宣言』『凡庸な芸術家の肖像』『映画の神話学』『シネマの記憶装置』『映画はいかにして死ぬか』『映画 誘惑のエクリチュール』『監督 小津安二郎〔増補決定版〕』『齟齬の誘惑』『映像の詩学』『『ボヴァリー夫人』論』『伯爵夫人』ほか多数。

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