森茉莉
( もり・まり )1903─87年、東京生まれ。森?外の長女。1957年、父を憧憬する娘の感情を繊細な文体で描いた随筆集『父の帽子』で日本エッセイスト・クラブ賞を受賞、50歳を過ぎて作家としてスタートした。著書に『恋人たちの森』(田村俊子賞)、『甘い蜜の部屋』(泉鏡花賞)、『贅沢貧乏』、『私の美の世界』、『森茉莉全集』全8巻など。
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“私は今度、古都について書くことになった”と始まる第一章「ひともする古都巡礼を」は単なる古都めぐりではない。旅行嫌いの茉莉は写真を見て、思考のおもむくままに、時には脱線し、飛躍しつつ、心に宿る情緒の源としての日本の古都を綴る。第二章では、パリに関することへの思いを、まるで恋人を見るかのような情熱的な眼差しで語る。日本と西洋、この両者に対する感情の流れに茉莉の二様の魅力が味わえるアンソロジー。
ひともする古都巡礼を(古都と私との繋がり
京都・お正月
残雪
屏風・桜
東照宮の眠り猫 ほか)
巴里と魔利(仏蘭西語のハムレット―バロオ日本公演をみて
演奏会の思い出
「ロートレック展」をみて
エロティシズムと魔と薔薇
ロココの夢―「十八世紀フランス美術展」の下見 ほか)
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