泉鏡花
( いずみ・きょうか )1873-1939。本名鏡太郎。別名畠芋之助。金沢の生まれ。父は名人気質の彫金師。9歳のとき母を失う。明治24年、尾崎紅葉の門に入り「夜行巡査」「外科室」で認められる。ついで「照葉狂言」「草迷宮」「歌行燈」「婦系図」など。大正から昭和にかけて自然主義やプロレタリア文学がおこるなかに文壇とは遠いところで、幻想と怪異をもち、独特の文体美に支えられた偏奇性の強い文学を書きつづけた。
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明治大正昭和の三代にわたり妖艶怪美の世界をひたむきに追求した泉鏡花は、文芸としての怪談を極めた巨匠と呼ぶにふさわしい。三百篇を超える作品群には、いまだ知られざる逸品も少なくない。それら文庫未収録小説の中から、とりわけ恐怖と戦慄と憧憬に満ちた怪異譚を選りすぐって成ったのが本書である。
高桟敷
浅茅生
幻往来
柴障子
尼ヶ紅
菊あわせ
霰ふる
甲乙
黒壁
遺稿
幼い??の記憶
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