吉行理恵
( よしゆき・りえ )(1939-2006)詩人、小説家。父は吉行エイスケ、母は吉行あぐり。ナイーブで平明な詩風が注目され、67年、詩集『夢のなかで』で田村俊子賞を受賞。のち小説に転じ、81年、『小さな貴婦人』で芥川賞受賞。吉行淳之介と兄妹で芥川賞受賞と話題を呼んだ。著書に『猫の見る夢』『男嫌い』『迷路の双子』『黄色い猫』『雲のいる空』などがある。
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雲、蜻蛉、猫の名前である。「蜻蛉はすこし離れた場所に座り、邪気のない目でそっと見ていた。薄い緑に茶の線が交差した蜻蛉の翅のような目差しだった。彼女は部屋の中の一番静かな場所で息を引き取った。干潮の刻だった」と微妙な独特の距離感で猫を映し出す理恵。愛する猫たちを題材にした小説、随筆、詩を中心に編む、猫と詩人の優しい空間。
流れ星
随筆(猫・ねこ・ネコ
記憶の小道
旅・読書・詩人たち
家族と私のこと)
小説(小さな貴婦人
黄色い猫)
河野多恵子さんへの便り
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