吉田秀和
( よしだ・ひでかず )1913年9月23日、日本橋生れ。東京大学仏文科卒。現在、水戸芸術館館長。戦後、評論活動を始め『主題と変奏』(1953年)で指導的地位を確立。48年、井口基成、斎藤秀雄らと「子供のための音楽教室」を創設し、後の桐朋学園音楽科設立に参加。57年、「二十世紀音楽研究所」を設立。75年『吉田秀和全集』で大佛次郎賞、90年度朝日賞、『マネの肖像』で読売文学賞受賞。2006年、文化勲章受章。著書多数。
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セザンヌはどこから出発して、どこに到達したのか―近代的美学の枠組みからはなれてなおその芸術から放射される“精神的な品位”に惹かれた著者の渾身の美術論。自然のすべて、人間精神の姿におよぶ宇宙を画布のなかに捉えつくすという高い志を持して生き、描いて描いて、ついに永遠を思うに至ったセザンヌの創造の極点に迫る。
終りにあたってのはしがき
まずゴーギャンに寄って
ゴーギャンとドゥガ
ゴーギャンからセザンヌへ
ドラクロワとゴッホ
セザンヌにおける「線」
セザンヌとパースペクティヴ
ピサロのそばで
風のなかで
新しい「風景画」の誕生
写真の光景と「風景画」
「深さ」を色彩で
セザンヌの静物画
「ジェフロワの肖像」とりんご
りんご
「シャトー・ノワール」と「サント・ヴィクトワール」
人物画
「水浴する女たち」
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