菊池良生
( きくち・よしお )1948年生まれ、早稲田大学大学院博士課程単位取得後退学。明治大学理工学部教授。専攻はオーストリア文学。著書に『神聖ローマ帝国』『戦うハプスブルク家??近代の序章としての三十年戦争』『傭兵の二千年史』(以上、講談社現代新書)、『ハプスブルク帝国の情報メディア革命??近代郵便制度の誕生』(集英社新書)、『図説 神聖ローマ帝国』(ふくろうの本・河出書房新社)など。
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オーストリアの一地方豪族から、ヨーロッパのみならず新大陸までを影響下におく大帝国を築き上げたハプスブルク家。絶頂の極みにあって、光輝くほどに翳もまた深くなる。帝国のそこかしこには衰退の兆しが見え隠れし、やがてはそれに呑み込まれることとなった。王権を可視化する装置としての祝祭空間につかの間の栄光を幻視し、歴史の転換点で繰り広げられた人間ドラマを、愛情をこめて描き出す歴史エッセイ。
アレゴリー船よ、さらに彼方へ!―カール五世、壮麗に逝く
スペイン・ハプスブルクの光と翳―フェリペ二世と異母弟ドン・ファン
結婚、政略、ああ血脈!―オーストリア大公カールの嫁取り
メラヴィリア―レオポルト一世のバロック
女帝マリア・テレジアの娘たち―女帝を巡る「世界史としての個室」
ゲーテが目にした戴冠式―帝国消滅、吾ガ事ニ非ズ
異人の妻子―ナポレオンの妻と忘れ形見ライヒシュタット公
死への儀式―マクシミリアン最後の一日
おもしろうてやがてかなしき…―会議は踊った
髑髏から逃げる!―流浪の后妃エリザベート
祝祭する王家の身体―フランツ・ヨーゼフ一世皇帝陛下御在位六十年慶祝パレード
オーラが消えた―フランツ・ヨーゼフ一世とともに壊れゆく帝国
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