前田英樹
( まえだ・ひでき )1951年大阪生まれ。批評家。中央大学大学院文学研究科修了。立教大学現代心理学部教授などを歴任。主な著書に『剣の法』(筑摩書房)、『日本人の信仰心』(筑摩選書)、『独学の精神』(ちくま新書)、『批評の魂』(新潮社)、『小津安二郎の喜び』『民俗と民藝』(講談社選書メチエ)、『ベルクソン哲学の遺言』(岩波現代全書)、『信徒内村鑑三』(河出ブックス)、『沈黙するソシュール』(講談社学術文庫)、『倫理という力』(講談社現代新書)など多数。
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宮本武蔵は、単なる剣術遣いではない。道具を使い切って生きる「実の道」という激しい理想を、現実に歩き通した唯一の人である。その思想は思想と呼ぶには端的でありすぎ、その兵法は兵法と呼ぶには生活の万般に侵入しすぎる。彼は呆れるほど平俗なものを、誰もが息をのむ高さにまでひとり悠々と導いた。本書は『五輪書』を丹念に読み解き、武蔵の剣術の精髄を具体的に説き明かす。
第1講 武蔵という人(武蔵論争
吉川英治の参戦 ほか)
第2講 武蔵の方法(上泉伊勢守と「流儀」
上泉伊勢守の無敵伝説 ほか)
第3講 武蔵の剣(二刀について
「吊り腰」の教え ほか)
第4講 実の道を行く(武蔵と宗矩
「独り太刀をとつて」 ほか)
補講 型を生きる(兵法に「型」があること
武蔵が作った型 ほか)
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