内容紹介

なにごともせぬのが一番。

目次

蝉(堀口大學)
警官と讃美歌(O.ヘンリー)
正直な泥棒(ドストエフスキー)
孔乙己(魯迅)
ジュール叔父(モーパッサン)
チョーカイさん(モルナール)
ビドウェル氏の私生活(サーバー)
リップ・ヴァン・ウィンクル(W.アーヴィング)
スカブラの話(上野英信)
懶惰の賦(ケッセル)
ものぐさ病(P.モーラン)
不精の代参(桂米朝)演
貧乏(幸田露伴)
変装狂(金子光晴)
幇間(谷崎潤一郎)
井月(石川淳)
よじょう(山本周五郎)
懶惰の歌留多(太宰治)
ぐうたら戦記(坂口安吾)
大凶の籤(武田麟太郎)
坐っている(富士正晴)
屋根裏の法学士(宇野浩二)
老妓抄(岡本かの子)

著作者プロフィール

安野光雅

( あんの・みつまさ )

安野 光雅(あんの・みつまさ):1926年島根県津和野生まれ。画家・絵本作家として、国際アンデルセン賞、ケイト・グリーナウェイ賞、紫綬褒章など多数受賞し、世界的に高い評価を得ている。主な著作に『ふしぎなえ』『ABCの本』『繪本平家物語』『繪本三國志』『片想い百人一首』などがある。2020年、逝去。

森毅

( もり・つよし )

1928年東京生まれ。東京大学数学科卒業。京都大学教養部教授を長く務める。著書に『まちがったっていいじゃないか』(ちくま文庫)、『数学の歴史』(講談社学術文庫)、『対談 数学大明神』(安野光雅氏と共著、ちくま学芸文庫)ほか多数。2010年7月逝去。

池内紀

( いけうち・おさむ)

1940年、兵庫県姫路市生まれ。ドイツ文学者。エッセイスト。主な著書に、『ウィーン・都市の詩学』(73年)、『諷刺の文学』(78年・亀井勝一郎賞)、『海山のあいだ』(94年・講談社エッセイ賞)、『見知らぬオトカム――辻まことの肖像』(97年)、『ゲーテさんこんばんは』(2001年・桑原武夫学芸賞)、『二列目の人生』(03年)、『ひとり旅は楽し』(04年)、『森の紳士録』(05年)、『池内紀の仕事場』(全8巻・04年-05年)など。主な訳書に、カネッティ『眩暈』(1972年)、ジュースキント『香水』(88年)、ロート『聖なる酔っ払いの伝説』(89年)、ゲーテ『ファウスト』(99年・毎日出版文化賞)、『カフカ小説全集』(全6巻・2000年-02年・日本翻訳文化賞)など。

オー・ヘンリー

( へんりー,おー)

1862年、ノースキャロライナ州に生まれる。20歳のときにテキサス州のオースティンに移り、銀行に勤めるが、まもなく横領の容疑がかかり退職。後に起訴されると、中米のホンジュラスに逃亡。妻が病気に倒れたと聞いて戻り、服役する。模範囚として過ごし、小説を書きはじめる。ニューヨークにやってきたのは1902年。翌年から短編作家として人気を博す。1910年没。

ギ・ド・モーパッサン

( もーぱっさん,ぎ・ど)

(1850-1893)フランスの自然主義の作家、詩人。パリ大学進学後、普仏戦争で軍役につく。その後、パリの海軍省の役人となり、傍ら小説を発表。フローベールと出会い、多大な影響を受け、1880年、同人誌に「脂肪の塊」を発表。以後、新聞の連載小説などで活躍する流行作家となる。代表作に、『女の一生』『ベラミ』『死のごとく強し』など。短f小説の名手として知られ、300篇ちかくを残している。

徳永康元

( とくなが・やすもと)

1912~2003年。東京・小石川生まれ。東京帝国大学文学部(言語学科)卒業。ブダペスト大学留学。文部省民族研究所助手、東京外国語大学教授、アジア・アフリカ言語文化研究所所長、関西外国語大学教授を歴任。東京外国語大学名誉教授、関西外国語大学名誉教授。主な著書に『ブダペスト回想』(恒文社)、『黒い風呂敷』(日本古書通信社)、『ブダペスト日記』(新宿書房)、訳書としてモルナール・フェレンツ『リリオム』(岩波文庫)、同『パール街の少年たち』(講談社)、バラージュ・ベーラ『ほんとうの空色』(岩波少年文庫)などがある。

J・サーバー

( さーばー,じぇい)

(1894-1961) 作家・エッセイスト・イラストレーター。雑誌「ニューヨーカー」の創刊スタッフのひとり。代表作に『虹をつかむ男』『セックスは必要か』などがある。青山南 翻訳家・エッセイスト。著書に『短編小説のアメリカ52講』『ネットと戦争』『木をみて森をみない』など、訳書にアン・ビーティ『愛している』、ジャック・ケルアック『オン・ザ・ロード』ほか多数。

桂米朝

( かつら・べいちょう)

1925年生まれ。兵庫県姫路市出身。1947年、四代目桂米団治に入門。滅亡寸前の上方落語を、故松鶴、春団治、文枝らと力を合わせて現在の繁栄まで導いたリーダーで、数多くの滅んでいたネタを復活させた。上方落語の研究家でもある。1996年重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定。著書に「上方落語ノート(正、続、三集、四集)」(青蛙房)「米朝ばなし」(講談社文庫)「落語と私」(文春文庫)「桂米朝 私の履歴書」(日本経済新聞社)他がある。平成14年、文化功労者に選ばれた。

幸田露伴

( こうだ・ろはん)

(1867~1947)本名成行。鮮烈なデビュー作「露団々」、続く「風流仏」で注目され、代表作「五重塔」を発表。尾崎紅葉と並称される紅露時代を築く。漢籍・仏典の素養を活かした小説や随筆、考証で知られる。明治・大正・昭和と息長い創作活動を続け、晩年にも「幻談」「運命」「連環記」などの名作を遺した。

金子光晴

( かねこ・みつはる)

金子 光晴(かねこ・みつはる):詩人。1895年、愛知県生まれ。早稲田大学高等予科文科、東京美術学校日本画科、慶應義塾大学文学部予科をすべて中退。1919年、初の詩集『赤土の家』を発表した後に渡欧。23年、『こがね蟲』で評価を受ける。28年、妻・森美千代とともにアジア・ヨーロッパへ。32年帰国。37年『鮫』、48年『落下傘』ほか多くの抵抗詩を書く。53年、『人間の悲劇』で読売文学賞受賞。主な作品として詩集『蛾』『女たちへのエレジー』『IL』、小説『風流尸解記』、随筆『どくろ杯』『ねむれ巴里』ほか多数。1975年没。

谷崎潤一郎

( たにざき・じゅんいちろう)

1886?1965年。東京日本橋に生まれる。一高、東京帝大国文科にすすむが、授業料未納で退学。在学中に発表した「刺青」などの短編小説を永井荷風に激賞されたことをきっかけに文壇にデビュー、以後、作品を次々に発表。耽美的世界を描いて文名を得たが、関西移住後は古典文化にも傾倒し、独自の世界を築く。主な作品に「痴人の愛」「春琴抄」「細雪」などの小説のほか、「源氏物語」の現代語訳がある。

太宰治

( だざい・おさむ)

1909-1948。青森県北津軽郡の生まれ。本名津島修治。中学の頃より同人誌に習作を発表。旧制弘前高校から東大仏文科に進む。この間、左翼思想に傾倒。「魚服記」「思い出」でデビュー。戦中から戦後にかけて「ロマネスク」「富嶽百景」「お伽草子」「ヴィヨンの妻」など、次々と秀作を発表。流行作家としての栄光のさなかに自殺。

坂口安吾

( さかぐち・あんご)

1906-1955。新潟市の生まれ。本名は炳五。中学を放校されて上京、東洋大でインド哲学、アテネ・フランセでフランス文学を学ぶ。「木枯の酒倉から」「風博士」によって、一部の注目をあびる。戦争中は「日本文化私観」「青春論」などの卓抜なエッセイを書きつづけ、戦後、「白痴」「堕落論」で一挙に世に出た。独特の発想と視点をもった文明批評や、「不連続殺人事件」などの探偵小説もある。

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