内容紹介

富久(桂文楽演) 黒い手帳(久生十蘭) スペードの女王(プーシキン) 五万ドル(ヘミングウェイ) 闘鶏(今東光) 最後の一句(森鴎外)など21篇

目次

全生涯(リンゲルナッツ)
賭博者(モルナール)
ナイフ(カターエフ)
その名も高きキャラヴェラス郡の跳び蛙(マーク・トウェイン)
富久(桂文楽・演
安藤鶴夫・聞書)
紋三郎の秀(子母澤寛)
かけ(チェーホフ)
混成賭博クラブでのめぐり会い(アポリネール)
アフリカでの私(ボンテンペルリ)
黒い手帳(久生十蘭)
スペードの女王(プーシキン)
木馬を駆る少年(D・H.ロレンス)
五万ドル(ヘミングウェイ)
塩百姓(獅子文六)
闘鶏(今東光)
死人に口なし(シュニッツラー)
もう一度(ゴールズワージー)
哲人パーカー・アダスン(ビアス)
最後の一句(森鴎外)
喪神(五味康祐)
入れ札(菊池寛)

著作者プロフィール

安野光雅

( あんの・みつまさ )

安野 光雅(あんの・みつまさ):1926年島根県津和野生まれ。画家・絵本作家として、国際アンデルセン賞、ケイト・グリーナウェイ賞、紫綬褒章など多数受賞し、世界的に高い評価を得ている。主な著作に『ふしぎなえ』『ABCの本』『繪本平家物語』『繪本三國志』『片想い百人一首』などがある。2020年、逝去。

森毅

( もり・つよし )

1928年東京生まれ。東京大学数学科卒業。京都大学教養部教授を長く務める。著書に『まちがったっていいじゃないか』(ちくま文庫)、『数学の歴史』(講談社学術文庫)、『対談 数学大明神』(安野光雅氏と共著、ちくま学芸文庫)ほか多数。2010年7月逝去。

池内紀

( いけうち・おさむ)

1940年、兵庫県姫路市生まれ。ドイツ文学者。エッセイスト。主な著書に、『ウィーン・都市の詩学』(73年)、『諷刺の文学』(78年・亀井勝一郎賞)、『海山のあいだ』(94年・講談社エッセイ賞)、『見知らぬオトカム――辻まことの肖像』(97年)、『ゲーテさんこんばんは』(2001年・桑原武夫学芸賞)、『二列目の人生』(03年)、『ひとり旅は楽し』(04年)、『森の紳士録』(05年)、『池内紀の仕事場』(全8巻・04年-05年)など。主な訳書に、カネッティ『眩暈』(1972年)、ジュースキント『香水』(88年)、ロート『聖なる酔っ払いの伝説』(89年)、ゲーテ『ファウスト』(99年・毎日出版文化賞)、『カフカ小説全集』(全6巻・2000年-02年・日本翻訳文化賞)など。

徳永康元

( とくなが・やすもと)

1912~2003年。東京・小石川生まれ。東京帝国大学文学部(言語学科)卒業。ブダペスト大学留学。文部省民族研究所助手、東京外国語大学教授、アジア・アフリカ言語文化研究所所長、関西外国語大学教授を歴任。東京外国語大学名誉教授、関西外国語大学名誉教授。主な著書に『ブダペスト回想』(恒文社)、『黒い風呂敷』(日本古書通信社)、『ブダペスト日記』(新宿書房)、訳書としてモルナール・フェレンツ『リリオム』(岩波文庫)、同『パール街の少年たち』(講談社)、バラージュ・ベーラ『ほんとうの空色』(岩波少年文庫)などがある。

子母澤寛

( しもざわ・かん)

1892―1968小説家。北海道厚田郡厚田村(現・石狩市)出身。江戸幕府の御家人で彰義隊の生き残りの祖父のもとで溺愛されて育つ。明治大学法学部在学中は弁護士志望であったが、いったん帰郷したあと再度上京、読売新聞社会部記者になり、ついで東京日日新聞の記者となった。在職中に、聞書きによる優れた考証もの『新選組始末記』『新選組遺聞』『幕末巷談』『游侠奇談』などを執筆。四十一歳で職を辞し、以後、幕末維新に題材をとった作品を続々と発表した。代表作に『勝海舟』『父子鷹』など。

アントン・チェーホフ

( ちぇーほふ,あんとん)

19世紀末から20世紀初めにかけて活躍したロシアの代表的作家。ロシアの各層の人びとを広く、きめこまかに描いた多彩な小説は、時代を超えて世界中の人びとに愛され、そのドラマやヴォードヴィルは、世界の演劇界で今なお上演されつづけている。「シベリアの旅」「サハリン島」のドキュメント類も名高い。

D.H.ロレンス

( ろれんす,D.H)

1885~1930。炭坑の「採炭請負人」の息子として生まれ、南仏ヴァンスで亡くなる。20世紀イギリス文学を代表する作家。『恋する女たち』『息子と恋人』『チャタレー夫人の恋人』『羽毛ある蛇』など12作の長篇小説を始め、数多くの中・短E小説、戯曲、紀行文、評論・エッセイを遺した。

アーネスト・ヘミングウェイ

( へみんぐうぇい,あーねすと)

(1899~1961)。作家。アメリカ、シカゴ郊外で生まれる。新聞記者をしたのち、1918年赤十字要員として北イタリア戦線に参加、重傷を負って帰国。その後パリに渡り、G・スタインらと親交を深め、小説を書き始める。『日はまた昇る』『武器よさらば』で作家の地位を確立。スペイン内乱、第二次世界大戦にも参加。54年ノーベル賞受賞。61年猟銃で自殺。

獅子文六

( しし・ぶんろく)

1893─1969年。横浜生まれ。小説家・劇作家・演出家。本名・岩田豊雄。慶應義塾大学文科予科中退。フランスで演劇理論を学び日本の演劇振興に尽力、岸田國士、久保田万太郎らと文学座を結成した。庶民生活の日常をとらえウィットとユーモアに富んだ小説は人気を博し、昭和を代表する作家となる。『コーヒーと恋愛』『悦ちゃん』『娘と私』など長編小説の他、『獅子文六短篇集』〈モダンガール篇〉〈モダンボーイ篇〉もある(ちくま文庫)。『娘と私』はNHK連続テレビ小説の1作目となる。『ちんちん電車』『食味歳時記』などエッセイも多く残した。日本芸術院賞受賞、文化勲章受章。

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