森まゆみ
( もり・まゆみ )一九五四年東京生まれ。八四年「谷中・根津・千駄木」創刊。地域史研究、文化財保存に尽力し、各新聞書評委員、文化庁文化審議会委員など歴任。日本ナショナルトラスト理事。近著に『千駄木の漱石』(ちくま文庫)、『子規の音』(新潮社)、『暗い時代の人々』(亜紀書房)、『「青鞜」の冒険――女が集まって雑誌をつくるということ』(集英社文庫)、『環境と経済がまわる、森の国ドイツ』(晶文社)など多数。
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「ロオマに往きしことある人はピアツツア、バルベリイニを知りたるべし」、文語による翻訳の精華といわれる鴎外訳「即興詩人」。作中の一文一文に導かれ、著者は作品の舞台であるイタリアを端から訪ね歩く。今も語る風景は単なる観光案内にとどまらず、豊穣なヨーロッパの歴史、文化、美術、音楽の姿を垣間見せる。練達の著者による文学紀行エッセー。第12回JTB紀行文学大賞受賞作。
1 ローマに生れて(バルベリイニ広場
骸骨寺 ほか)
2 吾友ベルナルドオ(コリゼエオ
曠野 ほか)
3 黒い瞳の歌姫(恋の毒
ローマの謝肉祭 ほか)
4 いざ地中海へ(ツスクルム
トルレ、ヂ、トレ、ポンテ ほか)
5 ナポリの即興詩人(サン、カルロ劇場
ソレントへ ほか)
6 流離と再会(チヲリ
ネピ、テルニイ ほか)
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