菊池良生
( きくち・よしお )1948年生まれ、早稲田大学大学院博士課程単位取得後退学。明治大学理工学部教授。専攻はオーストリア文学。著書に『神聖ローマ帝国』『戦うハプスブルク家??近代の序章としての三十年戦争』『傭兵の二千年史』(以上、講談社現代新書)、『ハプスブルク帝国の情報メディア革命??近代郵便制度の誕生』(集英社新書)、『図説 神聖ローマ帝国』(ふくろうの本・河出書房新社)など。
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どこで歯車が狂ったのか、何が運命の分かれ目だったのか。歴史の流れに翻弄されて、無益な死を迎えるほかなかった田舎将軍、傭兵隊長、官僚、錬金術師…。権力者の駆け引きに利用され、また民衆の嘲笑の対象となったあげく、虫けらのように踏みにじられた彼らの、どこか滑稽でありながらも人間らしい生きざまを、哀惜を込めて描く。
第1章 黒幕に操られ見捨てられたお人好しな太鼓叩きの物語
第2章 一本気と無邪気さで首を落した叩き上げ傭兵隊長の物語
第3章 暴君と民衆の生贄にされた哀しい官僚の物語
第4章 愛と忠誠を捧げ尽くした「死ぬ者貧乏」将軍の物語
第5章 理想を妄信して現実に殺された純真な老将の物語
第6章 半端な才能のおかげで終生籠の鳥となった錬金術師の物語
第7章 愛郷と忠誠を負わされ潰れた善良な田舎将軍の物語
第8章 悪口と酷評に縊死させられた生真面目な芸術家の物語
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