辻原登
( つじはら・のぼる )1945年生まれ。85年「犬かけて」でデビューする。90年『村の名前』で芥川賞、98年『翔べ麒麟』で読売文学賞、2000年『遊動亭円木』で谷崎潤一郎賞、05年「枯葉の中の青い炎」で川端康成文学賞、06年『花はさくら木』で大佛次郎賞、10年『許されざる者』で毎日芸術賞、11年『闇の奥』で芸術選奨文部科学大臣賞、13年『冬の旅』で伊藤整文学賞を受賞する。その他、『熊野でプルーストを読む』(ちくま文庫)、『東京大学で世界文学を学ぶ』など著書多数。
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古典、小説、ミステリー、ノンフィクション、句集、学術書…。対象のジャンルや硬軟に違いはあっても、文字を眼で追う読書という営みに変わりはなく、その結果としての書評は、思いもしない世界を現出させる。『東京大学で世界文学を学ぶ』で知られる優れた読み手でもある著者が、何ものにも妨げられずに読み込み、博覧強記と想像力が変幻自在の小宇宙を映し出す。
1(僕には魚が釣れない―湯川豊『イワナの夏』
女優と暮らす夢―バーバラ・リーミング『オーソン・ウェルズ偽自伝』
「四十九日」の物語―フランツ・カフカ『変身』 ほか)
2(世にも稀で不思議な知恵の書―井狩弥介・渡瀬信之訳注『ヤージュニャヴァルキヤ法典』
久しぶりに開く倉橋ワールド―倉橋由美子『よもつひらさか往還』
呪われた作家の極限の悪漢小説―L.F.セリーヌ『なしくずしの死』(上・下) ほか)
3(YES 心長き恋―丸谷才一『輝く日の宮』讃
一度祭り上げたジョイスを、いま再び繙く
西鶴の翻案に躍動する「描写」の天才性―太宰治生誕百年に寄せて ほか)
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