小島政二郎
( こじま・まさじろう )(1894-1994)小説家、随筆家、俳人。東京下谷に生まれ育った。慶應義塾大学在学中から「三田文学」に作品を発表。1922年『一枚看板』で文壇にみとめられ、以後『花咲く樹』『人妻椿』『新妻鏡』など人気作を発表、映画化もされるなど、戦前から戦後にかけて一世を風靡した。文壇の中心人物としても活躍。『わが古典鑑賞』は批評家としての見識が、『眼中の人』は対象文壇史の生きる資料として、高く評価されている。
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「十のうち九までは礼讃の誠を連ねた中に、ホンの一つ、荷風文学の病弊と見た点を指摘したこと」で終生の恨みを招いた。芸術家が人情に興味を持ってはおしまいだ、「新橋夜話」「すみだ川」は生命の旋律が響いてこない。鴎外、芥川、佐藤春夫との付き合い、ゴシップ、エピソードなど文壇裏話を交えて、人間永井荷風を活写する。幻と言われた傑作作品の文庫化。
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