高原英理
( たかはら・えいり )1959年生。小説家・文芸評論家。立教大学文学部卒業、東京工業大学大学院社会理工学研究科博士後期課程修了。博士(学術)。85年、第1回幻想文学新人賞を受賞。96年、第39回群像新人文学賞評論部門優秀作を受賞。編纂書に『リテラリーゴシック・イン・ジャパン 文学的ゴシック作品選』『ファイン/キュート 素敵かわいい作品選』、著書に 『ゴシックスピリット』『少女領域』『高原英理恐怖譚集成』『エイリア綺譚集』『観念結晶大系』『日々のきのこ』ほか多数。
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世界の本質的な残酷さ。いやおうなく人間の暗黒面へと向かう言葉。鮮烈なレトリックによって描かれる不穏な名作の数々を「文学的ゴシック」の名のもとに集める。白秋、鏡花から乱歩、三島、澁澤を経て現在第一線で活躍する作家までを招き、新たなジャンルの創成を宣言する一冊。
1 黎明(夜(北原白秋)
絵本の春(泉鏡花)
毒もみのすきな署長さん(宮沢賢治))
2 戦前ミステリの達成(残虐への郷愁(江戸川乱歩)
かいやぐら物語(横溝正史)
失楽園殺人事件(小栗虫太郎))
3 「血と薔薇」の時代(月澹荘綺譚(三島由紀夫)
醜魔たち(倉橋由美子)
僧帽筋(塚本邦雄)
第九の欠落を含む十の詩篇(高橋睦郎)
僧侶(吉岡実)
薔薇の縛め(中井英夫)
幼児殺戮者(澁澤龍彦))
4 幻想文学の領土から(就眠儀式Einschlaf‐Zauber(須永朝彦)
兎(金井美恵子)
葛原妙子三十三首
高柳重信十一句
大広間(吉田知子)
紫色の丘(竹内健)
花曝れ首(赤江瀑)
藤原月彦三十三句
傳説(山尾悠子)
眉雨(古井由吉)
春の滅び(皆川博子)
人攫いの午後 ヴィスコンティの男たち(久世光彦)
5 文学的ゴシックの現在(暗黒系Goth(乙一)
セカイ、蛮族、ぼく。(伊藤計劃)
ジャングリン・パパの愛撫の手(桜庭一樹)
逃げよう(京極夏彦)
老婆J(小川洋子)
ステーシー異聞 再殺部隊隊長の回想(大槻ケンヂ)
老年(倉阪鬼一郎)
ミンク(金原ひとみ)
デーモン日暮(木下古栗)
今日の心霊(藤野可織)
人魚
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