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ちくま文庫

イリノイ遠景近景

定価

1,056

(10%税込)
ISBN

978-4-480-43842-3

Cコード

0195

整理番号

-54-2

2022/09/08

判型

文庫判

ページ数

368

解説

岸本 佐知子

内容紹介

近所のドーナツ屋で野球帽の男たちの話を盗み聞きする、女性ホームレスの緊急シェルターで働く、ナヴァホ族保留地で働く中国人女性の話を聞く、ベルリンでゴミ捨て中のヴァルガス・リョサに遭遇する……アメリカ・イリノイ州でトウモロコシ畑に囲まれた家に住み、翻訳や聞き書きをしてきた著者が、人と会い、話を聞き、考える。人々の「住処」をめぐるエッセイの傑作。 解説 岸本佐知子

目次

平原の暮らし(トウモロコシのお酒―わたしは今や、真実トウモロコシ畑のど真ん中で暮らす者となった
盗み聞き―午後一時から四時半までかならずそのドーナッツ屋にきている男たちがいる ほか)
十月のトニ(三百ドルの使い途―その三百ドルからの最初の支出は‐二ドル五十セント。グリッツ二人前
葬儀館そしてアイダ/イザベル―「アイダがきたわ」とトニがいった。「イザベルだってば」とわたし)
ギヴ・ミー・シェルター(ギヴ・ミー・シェルター(1)―ホームレスの女性のために設けられた宿泊所を手伝うことになった
ギヴ・ミー・シェルター(2)―竜巻です、竜巻が目撃されました。皆さん、ただちに避難してください ほか)
ベルリン記(ベルリン六月―謎のビストロ。座像のブレヒトさんの瞳のない目。首に白ネズミをはわせた鼠男
ベルリンあるいは悪い夢―出番が来たのにまだ衣装もつけていない。いったいこれは悪夢なのか ほか)
冬のニューメキシコ(帆船岩山のオアランド―オアランド・ジョーはアメリカン・インディアンの三十四歳の彫刻家である
雨蛇の青い目―離婚よ!は、は、は。離婚手続きの弁護士料をはらうために、壺を一個送ったの ほか)

著作者プロフィール

藤本和子

( ふじもと・かずこ )

1939年生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。1967年渡米、ニューヨークの日本領事館に勤務した後、イェール大学のドラマ・スクールで学ぶ。その後、リチャード・ブローティガンの作品をはじめ、多くの翻訳を手がける。本書の他の著書に『ブルースだってただの唄』(ちくま文庫)、『塩を食う女たち』(岩波現代文庫)、『リチャード・ブローティガン』(新潮社)、『砂漠の教室』(河出書房新社)など、訳書にブローティガン『アメリカの鱒釣り』『芝生の復讐』(新潮文庫)、キングストン『チャイナ・メン』(新潮文庫)などがある。

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