伊藤俊治
( いとう・としはる )1953年生まれ。美術史家/美術評論家。現在、東京藝術大学美術学部先端芸術表現科教授。著書に『ジオラマ論』『20世紀写真史』など多数ある。
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写真とは、19世紀後半にはじまった〈終末〉と密接な関係を持ち、〈人間〉という概念の死滅と結びついた、20世紀の黙示録のひとつの形式ではなかっただろうか――。写真の歴史を読むことを通じて、時代の記録や個人の表現を超えた世紀の無意識と感受性を浮かび上がらせた著者の代表作。新たな書下ろし2章を付し、増補決定版としていま再び世に問う。21世紀以降注目を集める動向、フィクションとドキュメンタリーの狭間に生じた新しい位相、デジタル環境の深化による影響など、誕生後200年を迎える写真というメディアの歴史を描き出す。
1 都市と時間の象徴―変わりゆく時空認識一八九〇→一九一〇
2 機械神の幻影―“光の死”とその後の展開一九一〇→一九三〇
3 デザインされるイコン―機能する写真の新しい均衡一九二五→一九四五
4 揺れ動く記録―「主観」と「現実」への眼差し一九四五→一九六〇
5 他者のフィギュア―人間と環境のはざまに一九六〇→一九七〇
6 メディアと死の位相―終末の様々なヴィジョン一九七〇→一九八五
補遺
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