柳宗悦
( やなぎ・むねよし )1889-1961年。学習院高等科在学中に雑誌「白樺」創刊に参加。主に美術の分野を担当した。東京帝国大学哲学科を卒業後は宗教哲学者として活躍。濱田庄司、河井寛次郎、バーナード・リーチ、富本憲吉らと出会い、「民藝」という新しい美の概念を打ちたてた。眼の人として知られるが、柳のまなざしは、物の美しさだけではなく、物を生み出した人や社会にたえず注がれていた。
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従来とはまったく違う美の基準を打ち立て、「民藝」という美の「ものさし」を提示した柳宗悦。しかし、貴族的なものや鑑賞の為の作品よりも実際に日常生活で使われている雑器のほうにこそ見るべきものが多いとした柳の主張は、しばしば誤解されてきた。いわく、個人作家の作品を全否定するのか、生活工芸品であればなんでも美しいのか、と。そこで晩年の柳が、民藝同人の総力を結集して、自分たちが考える美しいものはこういうものだと図版と詳細な解説で総合的に示したのがこの『民藝図鑑』。第一巻では日本の陶磁、染織、民画、玩具、金工、木工、石工等の優品を紹介する。全三巻。 解説 白土慎太郎
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